よこまなプロジェクト

「教育」をテーマに生活者や市民を巻き込む ――よこまなプロジェクト 開催までの道のり(前編)

2015年6月23日



「教育」をテーマに生活者や市民を巻き込む ――よこまなプロジェクト 開催までの道のり(前編)

横浜市の市民・行政・ビジネスマンが一緒になって、新しい学びのかたちを考え、つくっていくことをコンセプトに発足しました。本プロジェクトの活動レポートに先立って、発足の背景やコンセプトが決まるまでの経緯について、前後編2回にわたり、お伝えします。(トップ画像:Thinkstock / Getty Images)

地域を巻き込む、新たな「学び」のプロジェクト

よこまなプロジェクトはその名のとおり、「学び」をテーマの中心に据えています。しかし、最初からこのテーマで取り組もうと決めていたわけではありませんでした。そもそものきっかけは、実践知研究センターが目指す「コトづくりを通じた場づくり」にあります。

実践知研究センター(以下、実践知)は、2011年4月1日に富士通総研にて発足した研究機関です。目指しているのは、社会全体にとって価値あること、つまり共通善に基づいた新しいビジネスを創造すること。グループ内のさまざまな立場からの知見を持ち寄るとともに、外部の有識者と議論を行うなど、新たなビジネスを生み出すための実践的な活動や研究を行っています。2015年には第9期訓練生の活動がスタート。これまでに卒業していったOB・OGは、約200名にものぼります。

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富士通総研実践知研究センター 大屋智浩さん

期を重ね、OB・OGが増えていくにしたがって、センター事務局の大屋智浩さんはある思いを強くしていきました。

「訓練生はそれぞれの研究テーマを携えて実践知の活動に参加しています。活動を進めるうえで必要となる人的ネットワークは、事務局が個別にフォローしているのが実状でした。事務局としては、テーマごとにOB・OGが有機的かつ自律的につながっていく場をつくりたい。そのためには、自走を促す機会(=コト)を用意する必要がある。そう考え、NPO法人ミラツクに相談を持ちかけたのが、このプロジェクトの発端です」

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よこまなプロジェクトは、インタビューによる課題抽出からスタート

自律的に関係性がつながる場を創出したいという事務局の思いと、さまざまなエリアでソーシャルイノベーションの場やプラットフォームづくりを手がけるミラツクとの出会い。こうして、プロジェクトは産声をあげました。

しかし、実際にこのような場をつくるうえで、重要となってくるのがどんなコンセプトを設定するかということ。そのための予備調査は、2014年10月〜2015年1月にわたって実施。西村勇也さんや真木まどかさんをはじめとするミラツクと協働で、このフレームづくりからプロジェクトを推進していきました。

仮説を持たずに結果のみを取り入れる

ミラツクの予備調査はどんな手法で行われてきたのでしょうか。西村さんは、ミラツクが実行する社会課題へアプローチ方法について、次のように解説します。

「ヒアリング、フィールドワーク、データリサーチなどを通じて全体像をつかむ。それらのフェーズを“フレーミング”と呼んでいますが、ここでは特定の想定を持たずに調査を進めていくのがポイントです」

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NPO法人ミラツク代表理事 西村勇也さん

これは、グラウンデッド・セオリー・アプローチ(GTA:Grounded Theory Approach)と呼ばれる手法。すなわち、あえて仮説は持たず、ヒアリング、フィールドワーク、データリサーチから得られた結果を記述することのみを重視します。「これ以上は新しい知見やデータが得られない」という状態に達したら、次のフェーズに移るのです。これにより「プロジェクトのテーマに関する幅広い理解を得ることができる」と、西村さんは解説します。

インタビューから導き出された横浜の課題とは?

プロジェクトを開始させるにあたり、まずは対象とするフィールドを「横浜」に設定。その理由として、大屋さんは次の3点を挙げます。

●実践知研究センターのOB・OGが通える範囲であること
●生活者や市民を巻き込める場であること
●教育や高齢者問題など、多くの都市が抱える社会課題を抱えている

「上記3つの観点から、横浜と言うフィールドがこのプロジェクトには最適だったのです」

今回の取り組み自体が終わっても、関係性づくりや議論が続いてほしい。実践知にとって身近な横浜を選んだのには、そうした背景もあったと大屋さんは振り返ります。

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ミラツク研究員の真木まどかさん。本プロジェクトのすべてのインタビュー調査に参加し、仮説形成の土台づくりを進めた

では、横浜という場所にはどのような課題があるのか。それを探るために行われたのが、横浜に関係するさまざまなステークホルダーへのインタビュー調査でした。

具体的なインタビュー対象は、横浜と関わりのある実践知のOB・OGや、自治体や横浜を拠点とする外部セクターなど。西村さんやミラツクのメンバーらは、GTAの手法にのっとり、インタビュー対象者の関心や課題について話を聞くことのみに注力しました。

この調査からは次のような話を得ることができ、取材対象者たちが抱える課題領域が浮かびあがってきました。

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次に、プロジェクトチームはそれらの課題をさらに掘り下げる“仮説形成&検証”のフェーズへと進んでいきました。

実践知研究センターのOB・OGを対象として、有機的な関係性をつくりだすためにスタートしたよこまなプロジェクト。フレーミングフェーズでは、横浜にまつわるさまざまな立場の人にインタビューを行い、コンセプトを模索していきました。後編では、これらの調査がいかにコンセプトに落とし込まれていったのかを伺います。

調査から見えてきたのは、教育の「新しい力」と「学びの場」 ――よこまなプロジェクト 開催までの道のり(後編)に続く


「教育」をテーマに生活者や市民を巻き込む ――よこまなプロジェクト 開催までの道のり(前編)

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