よこまなプロジェクト

連続ワークショップを終えて見えてきた、「新しい学びの力」の姿――よこまなプロジェクト完了報告(前編)

2016年1月14日



連続ワークショップを終えて見えてきた、「新しい学びの力」の姿――よこまなプロジェクト完了報告(前編)

暮らす場としての「横浜」を舞台に、子どもたちが「主体的な課題設定力」、「粘り強い問題解決力」を身につけるための新たな教育のあり方を考える「横浜でつくる学びの未来プロジェクト(通称:よこまなプロジェクト)」。2015年7月から8月にかけ、連続ワークショップとフィールドワークが行われました。横浜に愛着のある方が数多く参加した今回のワークショップを、すべてのセミナーを見学した、あしたのコミュニティーラボ編集部が振り返ります。前編ではワークショップの様子、後編ではプロジェクト全体を振り返りながら、今後学びで必要となる「新しい力」のヒントが見つかりました。

(後編)「新しい力を育てること」で地域の未来を変える ――よこまなプロジェクト完了報告

連続ワークショップで見えてきた「自分ごとの課題」

2015年7月、みなとみらいInnovation Future Centerを舞台に、公開ワークショップの参加者と実践知研究センター研究員による連続ワークショップが全3回行われました。以前ご紹介したとおり、このプロジェクトはソーシャルイノベーションのプラットフォームづくりという側面もあります。今回のワークショップには、現役の小学校教師の方、自治体職員の方、大学生など多様な背景を持つ人々が参加しました。

今回行われたワークショップの全体設計(提供:NPO法人ミラツク/富士通総研 経済研究所 実践知研究センター)今回行われたワークショップの全体設計(提供:NPO法人ミラツク/富士通総研 経済研究所 実践知研究センター)

第1回と第2回のワークショップの宿題として、フィールドワークを実施し、問題に直面している当事者のペルソナをブラッシュアップしていきました。(ここでのペルソナとは、あるサービスやソリューションを提供するうえで、もっとも重要かつ象徴的なモデルのことを指す)フィールドワークで各自が持ち帰った結果をグループ内で共有することで、偏ったペルソナが思い込みから生まれることを防ぐことができます。

そこから10日後、第3回のワークショップでは、ペルソナと事前に収集した先行事例をもとにストーリーボードを作成しました。主人公として1組の親子を想定。その親子が教育においてどのような課題を持ち、どんなサービスをどんな状況下で利用するのか、一連の流れがわかるストーリーをつくるワークです。

参加者はチームに分かれて、個性をぶつけながらストーリーをつくっていった(提供:NPO法人ミラツク)参加者はチームに分かれて、個性をぶつけながらストーリーをつくっていった(提供:NPO法人ミラツク)

ゲストトークと参加者同士のダイアログが中心だった公開ワークショップとは異なり、連続ワークショップでは参加者自ら、就学児を持つ保護者にインタビューを行い、可視化できない課題を掘り下げていきました。参加者自身にも同世代のお子さんを持つ方が多く、これまで以上に自分ごとの問題としてワークショップに臨みました。

各回のワークショップの合間には宿題が設けられ、参加者は保護者へのインタビュー、および「新しい力」を育むことを目的とした事例調査と整理を行いました。課題が明文化されたことで、議論の前段となる共通言語を持てたことが大きな成果だったと感じた参加者が多かったようです。

フィールドワークから得られたアイデア

公開型ワークショップにおいて、トークゲストのみなさんが挙げていたテーマの1つに「学ぶ力をどう育むか」がありました。今回得られたアイデアはどれも子ども自らが考え、行動することで新たな気づきや成長を得ることができるものです。

ツールを活用するもの、自然とのふれあいを重視したもの、人とのコミュニケーションが必要になるサービスなど方向性はさまざまですが、共通しているのは「体験の共有」という観点でした。

ワークショップから得られたアイデア(提供:NPO法人ミラツク)ワークショップから得られたアイデア(提供:NPO法人ミラツク)

たとえば「夏休み探険隊」というアイデアは、学校から出される自由研究の宿題を個人で完結させるのではなく、地域社会を巻き込んだプロジェクトにしてしまおうというコンセプトです。参加した子どもは企画・実践・検証のサイクルをひととおり体験することで、主体性、柔軟性、行動力などの力を身につけます。

「夏休み探険隊」を提案したチームによる発表。企画検討、リソース集め、協力者への報告など、起業のプロセスに近いものがあるのではないだろうか「夏休み探険隊」を提案したチームによる発表。企画検討、リソース集め、協力者への報告など、起業のプロセスに近いものがあるのではないだろうか

第2回公開ワークショップでゲストの上田信行さんが指摘していたように、自身が体験したことは振り返りと他者との対話(リフレクション)によって深化され、次のアクションへの土台になります。今回、各々のプランを持った参加者がダイアログやフィールドワークを実践し、身をもって感じた体験を発表に反映したと言えるかもしれません。

後編では、全体総括としてまとめられた「よこまなプロジェクト報告書」を参照しながら、学びにおける「新しい力」とは何か、それを獲得するにはどうすればよいのかのヒントを編集部の視点から振り返ります。

(後編)「新しい力を育てること」で地域の未来を変える ――よこまなプロジェクト完了報告


連続ワークショップを終えて見えてきた、「新しい学びの力」の姿――よこまなプロジェクト完了報告(前編)

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