あしたラボUNIVERSITY

未来の学びってなんだろう? -あしたラボUNIVERSITYプロジェクトから私たちが考えたこと(前編)

2016年12月5日



未来の学びってなんだろう? -あしたラボUNIVERSITYプロジェクトから私たちが考えたこと(前編)

こんにちは、あしたラボ編集部の浜田です。“これからの未来をつくる”学生と社会人による共創プロジェクトとして2014年11月にスタートした「あしたラボUNIVERSITY」。多くの方に参加いただいたこれまでの活動からおぼろげながら見えてきたのは、“未来の学びのデザイン”でした。活動3年目の区切りとなる今回は、私たちが追求してみたい「学び」像をいったんまとめ、みなさんに共有します。

未来の学びってなんだろう? -あしたラボUNIVERSITYプロジェクトから私たちが考えたこと(後編)

ゆるやかにつながる共創コミュニティー

これまでの2年間、あしたラボUNIVERSITYでは、大学への出張授業、トークイベント、アイデアソンなどさまざまなプログラムを実施してきました。参加者は合計500名以上。学生のみなさんだけでも300名以上にのぼります。ゲストスピーカーや審査員として各分野の有識者の方々も50名以上がこのプロジェクトに関わってくださいました。

運営にあたり、私たちが大切にしてきたのは、参加者が“学生”や“社会人”といった肩書きをとり払って、対等な立場でアイデア・意見を出し合い、お互いの視点や考え方を理解して学びあうことができる場をつくること。そして、その場を通じて参加者が自分ごととして身近な社会課題を捉え、考え、アクションを起こす機会をつくることの大きく2点です。

1年目のアイデアソンに参加した学生さんが2年目には運営スタッフとなったり、ファシリテーターを務めたり、はたまたアイデアソンで出会ったチームメンバーたちで継続してアイデアをブラッシュアップし、ビジネスコンテストにチャレンジしたりすることもありました。アメリカ・テキサス州オースティンで開催されたSXSW(サウスバイ・サウスウエスト)には、社会人とともに学生さんも出場しました。

“参加したらそこで終わり”の場ではなく、あしたラボUNIVERSITYをきっかけとした“ゆるやかにつながる共創コミュニティー”が少しずつできはじめているのかな、と感じています。

『大ガッコソン!』をきっかけとした“未来の学び”への視点

さまざまなプログラムを実施してきたなか、印象的なものの1つとして2016年2月に開催したアイデアソン『大ガッコソン!~常識を覆せ、わたしの考えるみらいの大学~(以下、大ガッコソン!)』があります。2030年の未来を見据え、新たな大学の姿を考えたこのアイデアソンでは、運営メンバー自身が“学びとは何か”をあらためて考えるきっかけとなりました。

「なぜ学ぶのかわからない、何を学べばよいのかわからない」
「私は一体何者なのか教えてほしい」
「大学での学びは社会で意味があるの?」
アイデアソンに参加したみなさんの切実な思いやモヤモヤ感から創出されたアイデアに触れ、私たちは、そこには現在の学びの限界や未来のデザインのヒントがあるのではと感じました。

そこで、私たち運営メンバーは『大ガッコソン!』の振り返りをきっかけとした対話の場を持ちました。ご覧のようにグラフィックによる可視化も行っています。

『大ガッコソン!』で創出されたアイデアを振り返り、1枚にまとめたもの(制作:株式会社グラグリッド三澤直加さん)
『大ガッコソン!』で創出されたアイデアを振り返り、1枚にまとめたもの(制作:株式会社グラグリッド三澤直加さん)

「未来が見えるメガネ」「学ぶべきことを選んでくれるAI」「寝ながら知識の蓄積ができるしくみ」「大学という枠を超越して学べる場」——。これらはいずれも『大ガッコソン!』で発表されたアイデアです。創出されたアイデアをあらためて見つめてみると、その背景にある価値観や今後求められていくであろうことが浮かび上がってきます。

対話内容のグラフィックレコーディング(一部を抜粋。以下のグラフィックレコーディングはすべて三澤さん作)
対話内容のグラフィックレコーディング(一部を抜粋。以下のグラフィックレコーディングはすべて三澤さん作)

「社会に出て、自分がどう活躍できるかイメージができないから、何をどう学ぶべきなのか、ということを考えるのも難しいのかもしれない。たしかに自分たちも、当時は同じようなことで悩んでいたことを思い出す」

「大学は、社会人になるまでの通過点としか見られていない風潮がある。でも、いまや明日の変化も予想できないほど、世のなかの変化のスピードは早まっていて、画一的な教育、答え・知識の蓄積だけでは対応できない。自分だけの世界を抜けだして、世のなかの多様性を知る体験が必要なのかもしれない」

これらは、対話に参加した運営メンバーの声を抜粋したものです。

明日が見えない不確実な時代。社会が求める人材も変化し続けているなか、学びのあり方も多様になっています。 “これからどんな学びが求められるのだろう?”という問いに対する私たちなりの考えを描き出すために、2回目の対話の場には、これまで「あしたラボUNIVERSITY」プロジェクトに関わってくださった先生方、社会人・学生のみなさんもお招きしました。ここからはグラフィックレコーディングとともに対話の一部をご紹介します。

■ 大学生は「社会人」ではない!?

「自分が社会人になったら……」

学生時代にはごく自然にこの言葉が使われています。しかし、本来は大学生も社会の一員で“社会人”のはずです。「学生と社会人」「大学と社会」というふうに、意識的な線引きがされていて、そうした気持ちから「大学時代はモラトリアムだ!」など、あたかも大学時代が、社会に出て刑が執行されるまでの猶予期間であるかのように表現されるのかもしれません。

これは日本に限った話ではなく、海外でも分断の意識はあるのだとか。しかし、特に国土の狭い日本では、効率的な社会システムに対する需要が高まり、「学位を与えて次々に社会に出してしまえ」的な慣習が広がりました。その結果として、社会と大学の間に溝が生まれた、のではないかという意見もありました。

■ 企業側の近視眼が大学の可能性を狭めている!?

議論は企業の人材採用についても発展しました。いまの方針・風土に合う人材、いま足りない人材を企業が欲することによって、型にはまった学生像を大学に求めてしまう。その結果、近視眼的になり大学の可能性を小さくしているのではないか、そんな課題提起もありました。

■ 大学が与えるのは「ものさし」

大学は卒業するまでの間に学生へ「『ものさし』を与えるけれど、決断までは教えない。つまり「何センチ伸びたか」はわかるが、「それだけ伸びたことが良いことなのか悪いことなのか」までは教えていない。大学教員は学生に「他の尺度と比較して、良いか悪いのかの判断をしてください」という教育をしているが、企業が求めるのは決断できる人材なのだと思う。という学びの提供者(教員)側の意見もありました。

これらの意見を、みなさんはどうお考えになるでしょうか。「そうだ、そうだ」とうなずかれるかもしれませんし、「もっとこうじゃないか」というお考えもあるかと思います。後編では、学びの現場にいる学生、そして先生方の感覚や価値観、危機感に触れて、あしたラボUNIVERSITY運営メンバーがまとめた“これからの学びを加速させる5つのキーワード”についてご紹介します。現在の学びの現場における課題と可能性の一端が感じられるはず。ぜひご覧ください!

未来の学びってなんだろう? -あしたラボUNIVERSITYプロジェクトから私たちが考えたこと(後編)へつづく


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