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170万人の対話と協働のムーブメントを!「鹿児島未来170人会議」レポート 

2017年05月11日



170万人の対話と協働のムーブメントを!「鹿児島未来170人会議」レポート  | あしたのコミュニティーラボ
あしたのコミュニティーラボ編集部の中川詩織です。 去る2017年1月28日、<鹿児島に対話と挑戦の協働文化をつくり未来へつなげる>をコンセプトに、行政・企業・NPOなどの異なるセクターが一同に集まり対話する、年に一度のイベント「鹿児島未来170人会議」が開催されました。今回は、実行委員として携わった総勢300名が参加したイベントの盛り上がりと、その裏にある鹿児島の地域課題解決のための新たな胎動をお伝えします。

0.01%の住民からはじめる「ムーブメントづくり」

このイベントのスタートは3年前。それまでにも小さな対話の場がNPOや行政、企業などさまざまな場所で存在していました。そこから動きだしたアクションや場の存在を、さらに多くの人に知ってもらい、広く対話を行いたい。そんな思いの中で、「対話」を通じた「協働」を広げる大舞台としてスタートしたのがこの「鹿児島未来170人会議」(以下170人会議)です。

なぜ170人なのかと疑問に思われた方も多いと思います。実は「170」は、鹿児島県の人口が170万人であることに由来します。その0.01%である170人が集まり対話することで、鹿児島県民170万人が日常をとおして「対話」し「協働」する文化・ムーブメントづくりを目指そうという取り組みです。

一般参加170名にプレゼンターやスタッフを含め、総勢300名が老若男女入り混じって対話
一般参加170名にプレゼンターやスタッフを含め、総勢300名が老若男女入り混じって対話

鹿児島という非常にローカルな地域での取り組みですが、自分たちの手で自分たちの未来を創っていく、応援しあう。それって、すてきなことだと思いませんか?

私はそんな思いを胸に、すでに始めていた100名超の社内での対話の場づくりと、こうした社外での対話の場をつなげる橋渡し役となることで、広く鹿児島に貢献していきたいと考え、昨年から170人会議に参加しています。

南北600kmの鹿児島は、さまざまな社会課題の集積地

他の地域に漏れず、鹿児島には観光、まちづくり、自然、災害、雇用など、さまざまな課題が存在します。

たとえば、自然保護。屋久島や桜島など豊かな自然の宝庫である鹿児島は近年、世界自然遺産登録を目指す奄美群島への注目度が急上昇しています。都心部からの観光客が増えることが期待される一方、豊かな自然をどう守るかという課題も持ち合わせているのが実際です。

また、鹿児島は全国でも有数の離島県で、高校がない島も多く、15歳の春には「島立ち」といって親元を離れていかなければなりません。島の若者は本土で就職して戻ってこない、戻りたくても仕事がないため帰れない現実があります。

さらに、2016年4月には、隣県である熊本で地震が発生しました。現地に赴き支援活動を行う中で、有事への備えの1つとして、日頃からの関係性づくりが大切であることがわかりました。コミュニティーをどう育んでいくのか、もっと考えていく必要があります。

信頼をベースにつながりをつくり、チームで歩んだ3カ月間

今回の170人会議のプレゼンターは、公募で選ばれた10名と、先だって開催された地域未来会議(奄美未来会議・北薩未来会議)からあがってきた2名のあわせて12名。

プレゼンターと発表コンセプト

イベント本番の3カ月前からチームでプレゼンテーションとワークショップの準備がスタートします。プレゼンターを中心に、ファシリテーター、メンター・応援メンバー・行政サポーター・学生サポーターによるチームづくりを実施し、それぞれの役割を担います。

たとえば、チームの舵取り役であるチームファシリテーターは、チームビルディングやプロセス全体の進行役です。私もチームファシリテーターを務めました。初対面のメンバーが多かったこともあり、もっとも重視したのが「関係性の質を上げる」こと。共感と対話をベースとして、活動の原点に今一度立ち返り、当日を詳細にイメージしながらプレゼンテーション、ワークショップの意図づくりや設計を行いました。

170人会議では、このようにメンバーにそれぞれの役割が振られています
170人会議では、このようにメンバーにそれぞれの役割が振られています

地域おこし協力隊になる前は、東京で医療系SEをしていたプレゼンター吉村さんのチーム。地域の公民館長から大学生サポーターまで揃うと、まるで大家族のよう
地域おこし協力隊になる前は、東京で医療系SEをしていたプレゼンター吉村さんのチーム。地域の公民館長から大学生サポーターまで揃うと、まるで大家族のよう

イベント当日はプレゼンター12名によるプレゼンテーションと、プレゼンテーションに内容をリンクさせた12のワークショップが同時開催されました。自らの志や思いを詰め込んだプレゼンテーションに「共感」してもらい、プレゼンテーションを土台にしたワークショップに「参加」して仲間となり、応援してもらう。そこからつながりがうまれ、アイデアが広がっていく。そんな構図ができ、熱量の高い場となりました。

人・地域・コミュニティーをむすび、あたたかな生態系をつくる

今回、場を共にしたのは、教員、中高生・大学生、ジオパークなどの観光関連の仕事をする方、サッカーチームのスタッフ、デザイナー、薬剤師や保健師などの医療関係者、メーカー勤めの方、システムエンジニア、メディア関係者、地域コミュニティーづくりに取り組む人……など、多彩過ぎる人々。

170人会議のミッションは、鹿児島にそんな人々と恒常的につながる、「対話と挑戦の協働文化をつくる」こと。それはつまり鹿児島という地域全体に「あたたかな生態系をつくる」ことではなかったかと、イベント終了後、改めて感じています。

実際、新たな活動のきっかけや現在の活動の拡大につながるイベントとして、小さなムーブメントがたくさん生まれています。4月には今回の170人会議をきっかけに出会った4人が硫黄島では35年ぶりとなる企業「合同会社むすひ」を立ち上げ、雇用を生み出したいと意気込みます。また前回の170人会議から生まれた、プロ野球のドラフト会議さながらに移住を希望する人と移住者を募る団体の両者を結びつける「移住ドラフト会議」や、ボランティアや関わる人・地域が大きく増えている、普通のマチを盛り上げるマルシェ「騎射場のきさき市」のように、今後も活動を継続することで、形にする場を作りたいと思います。

日常の生活の中で、自分と仕事と世の中とがいつの間にか分断されてしまっていることに、ふと違和感を感じることはありませんか? それらをあらためてつなぎ、あたたかな生態系をつくる。そして自分もそのつながりあいの一端なんだというところに立つ。そこから、より本質的な地域課題解決への道は拓かれると、強く感じています。まずは一会社員である私自身も、個人の思いや地域活動と仕事の一致度を少しずつ高めながら、社内と社外をつなぎ、相互に作用しあう好循環の小さなはじまりをつくっていきたいと思っています。

(筆者)実行委員&チームファシリテーターとして参加しました
(筆者)実行委員&チームファシリテーターとして参加しました

【関連リンク】
イベントで上映したオープニングムービー(当日までの3カ月間のあゆみ)
かごしま未来会議(Facebookページ)
かごしま未来会議
株式会社富士通鹿児島インフォネット(トピックス)


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