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1周年記念イベントレポート
「社会を動かす“共創”」を考える(下)

2013年07月30日



1周年記念イベントレポート<br />「社会を動かす“共創”」を考える(下) | あしたのコミュニティーラボ
〈あしたのコミュニティーラボ〉オープン1周年を記念して、7月5日に二子玉川駅近くのイベントスペース「カタリストBA」で行われたワークショップイベント。前編に引き続き、登壇者3人によるトークセッションの様子をレポートします。“共創”をキーワードに活動するお三方に、それぞれの未来に向けた取り組みや抱負と、ヒントとなる知見を伺いながら、社会を動かす“共創”に必要な要素を見つけ出します。

前編はこちら
ダイジェストムービーはこちら

登壇者の皆さんの3年後は?

各者各様のプレゼンに引き続いて、プログラムは登壇者全員そろってのトークセッションに進みます。モデレーターの柴崎が、登壇者の3人に共通の質問を投げかけました。最初のアイスブレイクで参加者に尋ねたのと同様、3年後にそれぞれの活動がどのようでありたいか、という問いかけです。

FabLab Kamakura(ファブラボ鎌倉)LLC代表の渡辺ゆうかさん

渡辺さん「今はまだ、機材の使い方を覚えることなどの人材育成と、個別のプロジェクトを進めるだけで精一杯。このファブラボで何をつくり、それを見た人がどう反応し、アイデアをシェアすることによってどんな新しいものが生まれてくるのか――〈もの〉として成果を提示できるのが3年後だと思っています。それで社会を変えるような〈もの〉が生まれたら嬉しいですね」

株式会社スペースポート代表で一般社団法人Think the Earth理事の上田壮一さん

上田さん「AQUA SOCIAL FES!!に参加したトヨタの販売店の方が、自然が好きなお客さまと共通の話題ができました、とおっしゃっていました。〈人づくりもゴールに〉というのはこういうことだなあ、と僕自身も学びがありました。それまで接したことがなかった人たちとの出会いによって、自分の幅が広がることこそ重要。そんな体験をした人が、企業の内部に限定されたプロジェクトから抜け出して、何か新しい〈次の価値〉をつくり始めるのが3年後くらいではないでしょうか」

NPO法人地域情報化モデル研究会代表理事で富士通システムズ・イーストの米田剛さん

米田さん「観光クラウドのプラットフォームを使う地域が全国でもっと増えれば、地域Aで生まれたアプリケーションが地域Bでも使えるような、地域から地域への流通ができるようになります。そこまで3年後には広げていきたいですね。富士通としても事業になり、地域の情報サービス会社も、プラットフォームを活用し他の多くの地域で事業展開できる。若い人の雇用もそこで生まれる。そうやって共に成長していけるスキームをつくりたいと考えています」

どうやって人を巻き込み、場をつくるのか

3人のプレゼンテーションからモデレーターの柴崎が、“共創”のヒントになる2つのキーワードを抽出しました。それは「人の巻き込み方」と「場のつくり方」。この2点のノウハウやコツについて、3人にお話を伺いました。

渡辺さんは「おもてなしをしないこと」と言います。ゲストもホストもないフラットな関係が築かれるからです。そうやってプロジェクトが始まると、すんなり入り込め、継続的に関われる人が多くなるとか。“場づくり”でファブラボが実践しているのは、掃除をしてもらうこと。掃除をすると、そこが“自分の場所”になる、と渡辺さん。確かにそうかもしれません。上田さんも言っていた「一緒に汗をかく作業」を最初にすると “共創”も進むのでしょう。

一般的に企業の目標は売上ですが、それにNPOが協力する義務はありません。だから企業とNPOが連携するプロジェクトを起ち上げるとき、上田さんは必ず売上だけではない社会的な目標を立てましょう、とファシリテートします。たとえば「この川の流域を3年かけてきれいにする」。それに対して企業ができること、NPOができること、市民にやってもらいたいことを考えるわけです。そのプロジェクトに関わるすべての人たちが共通にめざせるワンランク高いビジョンを設定すること。それが “共創”の場づくりでは欠かせないのでしょう。

人を巻き込んだり、場をつくったりするのは苦手、と米田さんは意外な発言。
そうではなく、互いがWin‐Winの関係になるようにせっせと仲人をして歩いている、とのこと。「この指とまれ」ではなく、一人ひとりに対して懇切丁寧に接し、その輪が最終的につながっていく、というイメージだそうです。それから、メンバーをみだりに増やし過ぎないこともコツの一つとか。同じスキルやリソースを持つ人が重ならないようにすれば、全員が活躍できます。

“想いのベクトル”を維持し、やり続けること

最後の質疑応答の時間では、渡辺さんと上田さんに、どうして今のような仕事をしているのか、その“想いのベクトル”について質問がありました。

渡辺さんは美大を出て組織に所属し、設計業務をしていました。自身も含め、友人、知人たちの身をすり減らす働き方に疑問を持ったそうです。どうしたらもっと創造的な働き方ができるのか。そんなときに出会ったのがファブラボでした。自分で自分の仕事をつくれるのではないか。新しいクリエイターの職能を創造できるのではないか、と考えました。ファブラボはプラットフォームで自分は実験台、と渡辺さんは言います。

広告代理店で働いていた上田さんは、阪神淡路大震災でボランティアを経験したことで目を開かれました。極限状況では利己心を捨て、みんなが助け合って社会の再建に邁進します。誰もが社会を良くしたいと思っているし、そのスキルもある。それは平時でも同じではないか。環境問題のような社会的課題の解決と経済活動を両立させる。そんな仕事があっていい、と考えて会社を飛び出し、自らその仕事をつくり出すようになりました。

質問が終了後は、参加者同士のトークセッションが行われた

そして最後のコメントで3人ともに強調したのは“やり続けることの大切さ”。皆さん、それぞれの活動をスタートした当初は変人扱いされたそうです。前例のない仕事に挑むイノベーターに待ち受けている“洗礼”なのかもしれません。それでも持続していく原動力は強いモチベーション。会場からの質問者の言葉を借りれば“想いのベクトル”を維持し続けることが大切なのでしょう。


(編集部より)

ここでは取り上げられなかった内容も多岐にわたります。
イベントの様子を、ぜひ下記のYouTubeアーカイブからダイジェストでご覧ください。

※モバイル環境でご視聴の際は、WiFi接続でご覧いただくことをお奨め致します。

前編はこちら


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