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東北を元気にするアイデアをEyes,JAPANと考えてみた ──「さくらハッカソン2014」に向けて(前編)

2014年03月31日



東北を元気にするアイデアをEyes,JAPANと考えてみた ──「さくらハッカソン2014」に向けて(前編) | あしたのコミュニティーラボ
あしたのコミュニティーラボ(以下、あしたラボ)が主催する「さくらハッカソン2014」(4月12〜13日)に先立ち、モデレーターのEyes,Japan社長、山寺純さんとあしたラボ編集部スタッフが、〈東北を元気にするアイデア〉を考えてみた。「プレ・さくらハッカソン」のレポートとして、ぜひアイデア発想の参考にしてほしい。

訪れた人が能動的に楽しめる「おもてなし」とは

Eyes, JAPANのサテライトオフィスにて

山寺さんとあしたラボ編集部が集まったのは、南東北最大のスキーリゾート「アルツ磐梯」にあるEyes,JAPANのサテライトオフィス。ブレストやアイデア出しには絶好の環境だ。
昨年11月、「あしたのコミュニティーラボ」を運営する富士通社内では初めてのハッカソンを実施した。
お題は、「ICTで東北の交流人口を増やすにはどうしたらいいか」。さまざまなアイデアが出たが、そのなかで浮かび上がってきたキーワードの1つが「俳句」。山寺さんとのディスカッションでは、「俳句アプリ」をめぐる話題からスタートした。

2013年11月に富士通株式会社内で行われたハッカソン

編集部・下野(以下、下野) 「桜をテーマに東北へ海外から1万人を呼び込むアプリ」というお題をもらったときにまず考えたのは、桜は、受動的に観るだけでは楽しいのかな、と。もっと観光客が能動的に楽しめる「おもてなし」はないか。桜の前で何か表現するのはどうだろう。どんな表現か。「制約は創造の母」じゃないですけど、五七五というルールがはっきりしていて、短い言葉で表現できて、海外にもある程度知られている「俳句」がいいんじゃないか、ということになったんですね。たとえば、バングラデシュ人はこういう桜の写真を観てこう感じるのか————そんな発見を楽しめるアプリをモックアップでつくってみました。東北の桜の札所八十八か所の写真などのデータを活用して。

富士通社内ハッカソンから生まれたアプリ
「Sakura Haiku88」のデモ画面 (提供 富士通株式会社)

山寺 純(以下、山寺) おもしろいですね。これ、位置情報もつけて、過去の俳人が詠んだ句もその場でわかるといいかも。ああ、松尾芭蕉ってここでこんな句を詠んだのか、と。ユーザーの投稿プラスそんなことができたら……。

Eyes, JAPAN代表取締役社長 山寺純さん

下野 タイムライン上に何百年も隔てて、同じ場所で自分の詠んだ句と過去の俳人が詠んだ句が並ぶと、歴史がつながったみたいな感じになりますよね。地元のお婆ちゃんが娘時代に桜と一緒に撮った着物の写真があったりしても、それをきっかけにツーリストと地元の人がつながれるかもしれない。

富士通株式会社、あしたのコミュニティーラボ編集部 下野

山寺 桜って散るところが日本的で美しいじゃないですか。会津にある樹齢数百年の石部桜を、単純にきれいだなと思って観に行っていたんですが、数百年の寿命の桜の木に対して、人間の寿命はせいぜい70〜80年。オレの人生、計算上では半分終わっているんで、あと何回桜を観られるのかと思ったら切ないものを感じて。過去の俳人が詠んだ句を通して、そんな日本人の死生観をうまく表現できたりすると、すごくおもしろくなるような気がしますね。

編集部・武田(以下、武田) 東北・夢の桜街道プロジェクトのキーマンに聞いたら、桜の札所八十八か所は樹齢数百年規模の桜をあえて選んでいる、と。桜の木は剪定や受粉など維持管理を続けないと数百年も保てないらしいです。長い冬に耐え春を待ちわびて桜を愛で、維持管理してきた人が東北にはいる。それこそ震災のとき、自分の家そっちのけで桜の木を世話していた人もいたとか。そんなエピソードを知って、なるほど桜を観て回るというより、桜を見守り続けてきた地域を回り、地元の人たちと触れ合って、気づいたり考えたりする旅なのかなと。

富士通株式会社、あしたのコミュニティーラボ編集部 武田

「松島や ああ松島や 松島や」をリミックスしたら……

編集部・高橋(以下、高橋) 俳句をゼロベースで詠むとなると、初めての人にとっては敷居が高いと思うんです。そこで、誰かが詠んだ句があって、自分だったらここをこう変えるとか、どんどんリミックスしてバージョンアップしていく。それぞれのバージョンがどれくらい支持されているか、そのルーツは自分だとか……。

株式会社富士通研究所、あしたのコミュニティーラボ編集部 高橋

山寺 ああ、それおもしろいな。

高橋 過去の歴史的な俳句の一部を穴空きにして、あなたならここに何を入れますか、みたいなクイズ形式にしたり。俳句のおもしろさは、ふだん使わない比喩や、意外な言葉の組み合わせを考え出すところにもあるじゃないですか。「桜を観る」とは言うけど「桜を食べる」とは言わない。でも、ある文脈だったら「食べる」のほうがふさわしいかもしれない。そういう、ふだんの使い方とは違う珍しい表現の「レア動向」が、たとえば色の変化で表されて、だいぶレアになってきたとか……そうするとゲーム性も出てきます。

山寺 アメリカのヒップホップはサンプリングの音楽。元ネタの価値が下がらなければリミックスするのが一般的です。元ネタの古い曲も再評価されて売れたりして。基本、元曲に対するリスペクトがあるからできる。あれってすごくおもしろい現象だと思う。俳句でもできますよね。松尾芭蕉の「松島や ああ松島や 松島や」を今の女子高生がリミックスしたら「松島や 超ウケる 超ウケる 超ウケる」だったりして(笑)。最近、LINEで奥さんと会話するのはスタンプばかりなんですよ。あまり文字を打たない。もしかしたらもう「超ウケる」じゃなくてスタンプかも。そういうのもリミックスできたらおもしろい。

高橋 五七と来て最後の五文字はスタンプとか。

山寺 あり得ますね。写真と俳句の組み合わせだと、たくさんある写真のなかからどれを観てこの俳句を詠んだのか選ぶ、というのもアリかな。

高橋 俳句の解釈や思い浮かべるイメージはそれぞれ違っていて、普通は共有したり伝え合ったりするのは簡単じゃないけれど、たとえば30枚の写真の束を使って、自分はこれがいちばん近いと思う、と選ぶのであれば可能ですね。

山寺 あと、五七五に収めようとするとテクニックがいるので、「きれい」「ピンク」など思いついたキーワードを入れると「こんなのどう?」と教えてくれるとか……言語解析なんかやってるエンジニアだと、燃えそうなテーマですね。

俳句というキーワードから、大いに盛り上がる山寺さんとあしたラボ編集部。後編では東北を訪れる観光客への体験の演出、そしてイノベーション創出の手法まで話は広がっていく。

後編に続く

4月12日(土)、13日(日)の「さくらハッカソン2014」では、Eyes, JAPANの山寺純さんがモデレーターとして参加します。ぜひ、みなさんの「東北に人を呼ぶアイデア」を実際にカタチにしてください。詳細は下記のリンクから!


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