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あしたラボのイベントとその様子をご紹介します。

5月15〜16日の「Fujitsu Forum2014」(会場・東京国際フォーラム)では、あしたのコミュニティーラボ(以下、あしたラボ)に関わるセミナーが開催されました。あしたラボの柴崎辰彦代表がパネラーとして参加した「イノベーションを起こす最強チームをつくるには」と、あしたラボ主催の「さくらハッカソン2014」(4月12〜13日に開催)を振り返る「ハッカソンから生まれた東北を元気にするアイデア」です。多くの参加者が詰めかけたこの2つのセミナーの模様を全4部に分けてレポートします。

生活者主導の時代に求められるビジネスの形 ――Fujitsu Forum2014セミナーレポート(2)
共創を実現するために必要なこととは? ――Fujitsu Forum2014セミナーレポート(3)
「さくらハッカソン2014」から見えたもの ――Fujitsu Forum2014セミナーレポート(4)

『七人の侍』にみるプロジェクトマネジメントの極意

モデレーターを務めたのは、日経ビジネス・日経ビジネスオンラインのチーフ企画プロデューサー、柳瀬博一さん。


日経ビジネス・日経ビジネスオンラインチーフ企画プロデューサー 柳瀬博一さん

冒頭で柳瀬さんは1枚の写真を紹介しました。

東京都世田谷区の東宝スタジオ壁面に飾られた映画『七人の侍』の巨大スチール写真です。農民を盗賊から守るという目的に向かって多様な技量をもつ野武士が集まり、期間限定で奮闘するというストーリー。

黒澤明監督の世界に知られた傑作時代劇は、プロジェクトマネジメントのケーススタディとしてMBAスクールでも取り上げられています。この映画のように、生き残るためイノベーションを起こすには内外から異能を結集したチームを組む必要がある。どうすれば強いチームをつくれるか。それが今回のテーマです。

第1のポイントは組織から個人の時代へと移行していること。株式会社富士通総研経済研究所主任研究員の湯川抗さんが語ります。


株式会社富士通総研経済研究所主任研究員 湯川抗さん

第2のポイントはマーケットが大きく変化していること。株式会社TBWA\HAKUHODO執行役員の高松充さんが語ります。


株式会社TBWA\HAKUHODO執行役員 高松充さん

第3のポイントは『七人の侍』的チームの具体的なつくり方。富士通株式会社戦略企画室、あしたのコミュニティーラボの柴崎辰彦代表が語ります。


富士通株式会社戦略企画室あしたのコミュニティーラボ 柴崎辰彦代表

誰にでもイノベーション可能な領域が拡大し続ける

ICTによって個人の情報収集・発信能力が高まった結果、組織と個人のパワーバランスが崩れはじめている、と富士通総研経済研究所の湯川さんは指摘します。

モバイルコンピューティングやソーシャルメディアのデータ数、ユーザー数は右肩上がり。一方でクラウドコンピューティングのコストは右肩下がり。今後も個人の情報収集・発信能力に関するエンパワーメントは拡大していくでしょう。

こうした情報収集・発信能力の向上にも増して留意すべきなのは、ICTが促すエンパワーメントによってイノベーションそのものが変化していること。バーチャルな世界だけでなくリアルな世界もICTによってエンパワーされた個人は変えはじめている。

例証として湯川さんは「ホワイトハウスサイエンスフェア」の昨年の表彰プロジェクトを2つ取り上げました。1つは脳波制御式の義手を3Dプリンターを使い、たったの250ドルで開発したもの。もう1つは早期発見が難しい、すい臓ガンの画期的な早期発見方法を発明したもの。

前者は17歳、後者は16歳の少年がまったくの独学で成し遂げました。昔から天才少年少女はいましたが、ICTによるエンパワーメントの影響を大きく受け、かつてとは比較にならないほどプロダクトのレベルが向上しています。

同時に、こうしたリアルな世界のイノベーションはソフトウェアによって成し遂げられていますが、ソフトウェアとハードウェアの機能のトレードオフ、バーチャルとリアルの融合がどんどん進みつつある、と湯川さんは指摘。

ソフトウェアを利用したハードウェアの拡張の可能性が開かれはじめ、ハードの付加価値がソフトウェアに左右されはじめています。また、ウェブを介してハードがAPIでコントロール可能なシステムに編入されつつあります。あらゆるハードがネットワークでつながれば、ソフトによる大掛かりな物理的再編が起き、都市空間が変わる可能性すらあるのです。

一方でイノベーションを創出する組織についてはどうでしょう。アメリカの著名ベンチャーキャピタリストは、この10年で起業コストがおよそ1,000分の1になったとしています。また、ベンチャー企業が成長するスピードも大きく変化しています。

2004年にサービスを開始したFacebookが100万ユーザー達成に要した期間は10か月、2011年にスタートしたLINEは3か月。成長スピードが劇的に短縮されています。低コストで起業可能で、成長が猛烈に速い。

個人へのエンパワーメントがもたらす最大の変化は、誰にでもイノベーション可能な領域が拡大し続けること。ソフトとハード、リアルとバーチャル、大企業とベンチャーなど、さまざまな境界線が曖昧になっていること。

こうした時代のチームに求められるのは「挑戦」と湯川さんは明言します。事業を成長させるためには、これまで考えたこともないような事業領域への取り組みが重要。起業コストが低く成長が速いので、失敗しても失うお金と時間が少なくて済む、というわけです。

ICTにより個人のエンパワーメントが促進された結果、生活者がそれまで情報の受けてだった状態から、情報を発信する側にも立つようになりました。そのような変化が起きている社会で求められるビジネスの形とは何か。第2部では高松さんのお話を中心にレポートしていきます。

生活者主導の時代に求められるビジネスの形 ――Fujitsu Forum2014セミナーレポート(2)へ続く
共創を実現するために必要なこととは? ――Fujitsu Forum2014セミナーレポート(3)
「さくらハッカソン2014」から見えたもの ――Fujitsu Forum2014セミナーレポート(4)


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