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自治体発、熱い起業家を引き寄せる本気のイノベーション支援とは?──大阪イノベーションハブ(1)

2014年07月30日



自治体発、熱い起業家を引き寄せる本気のイノベーション支援とは?──大阪イノベーションハブ(1) | あしたのコミュニティーラボ
研究機関が技術のシーズを提供し、起業家が事業プランを組み立て、ベンチャーキャピタルが資金援助し、企業が連携を図る。共創によるものづくりイノベーション促進の場を自治体が提供している全国でも希有な取り組みが「大阪イノベーションハブ」だ。わずか1年足らずで数多い活動を展開し、着実に成果が生まれつつある。そこには大阪ならではの熱いエネルギーが渦巻いていた。

IoT時代のおもちゃ、”Moffバンド” はこうして生まれた ──大阪イノベーションハブ(2)
ハッカソンのアイデアを、アイデアのままで終わらせないために──大阪イノベーションハブ(3)
失敗してなんぼ。イノベーションを生み、育てる流儀とは?──大阪イノベーションハブ(4)

イノベーションのエコシステムをつくる

大阪・梅田駅北側のうめきた地区再開発の一環として2013年4月にオープンした複合施設、グランフロントおおさか。そのナレッジキャピタルタワーに、イベントスペースやミーティングスペースをもつ約600㎡の「大阪イノベーションハブ」(以下、OIH)がある。ハッカソンやワークショップ、国際会議など、昨年度だけでも約200回のイベントが開催され、約1万人が訪れた。

OIHは、テクノロジーを事業化する起業家の支援拠点として大阪市が開設。大学・研究機関、起業家、エンジェル投資家、VC(ベンチャーキャピタル)、企業をつなぎ、世界中から人材・情報・資金を吸引するイノベーションのエコシステム創出を目指している。世界市場に通用するイノベーションを大阪から発信しようというのだ。自治体がこうした拠点を設けるのは全国的にも珍しい。

「1年間やってみてわかったのは、公共の設定する場は安心して人が集まりやすいということです」と語るのは、大阪市経済戦略局理事の吉川正晃さん。


大阪市経済戦略局理事 吉川正晃さん

「首都圏では企業同士のクラスターで一定の質と量になりますが、関西圏だと公共がハブになる余地がまだ多い。関西には優れた研究機関と大学が多く、日本有数のものづくり企業の集積もあり、イノベーションの起きる要素に事欠きません。にも関わらず大阪市では企業の東京への転出が増え、経済的な地盤沈下が起きています。
そもそも日本は起業家を支援する環境に乏しく、シーズを育てるエンジェル投資や、事業化に資金提供するVCの規模はアメリカの10分の1以下。だからこそ、大阪をハブとして、人と技術と資金をつなぎグローバルなイノベーションを起こすエコシステムをつくりたいのです」

ハッカソンや国際会議を起業家支援の場に


OIH主宰の「HackOsaka」は海外の大企業やVCと日本の起業家を結ぶ役割を果たしている

具体的な取り組みとしては、これまでに、ものアプリハッカソン、シリコンバレーツアー、オープンメンタリング、国際会議などを実施した。ものアプリハッカソンは、もの(ハードウェア)とクラウドサービスなどのICT技術を融合させたIoT(Internet Of Things)の潮流をふまえている。

「参加者のなかからエンジニア、デザイナー、マーケッターなど異質なスキルを持つ人たちの混成チームを事務局サイドであらかじめ設定しておきます。ものアプリハッカソン以外にも、企業と起業家との協業促進を目的としたハッカソン、大学発アイデアソン、企業が大学生を対象にして行うハッカソンなど、多種多様なハッカソンに毎月1回以上はOIHの場を提供しています」(大阪市経済戦略局イノベーション企画担当課長代理・角 勝さん)


大阪市経済戦略局イノベーション企画担当課長代理 角 勝さん

現地集合・現地解散のシリコンバレーツアーは自費参加だが、現地のアテンドは大阪市が行う。Google社やスタンフォード大学など企業・研究機関の見学、500Startupsのようなシードアクセラレーター(起業家の卵に投資し育成するインキュベーション組織)などへのプレゼンテーションの機会を提供している。昨年は26名の学生と10名の若手起業家が参加し、5社の企業が生まれた。

オープンメンタリングセッションはビジネスプレゼンテーションの公開レッスン。起業家が自分のビジネスプランを公開の場で発表し、上場を果たした起業家や経営者のコーチが評価・指導する。「成功者が成功者を育成する」世代を超えた交流も、イノベーションを永続的に生み出す土壌づくりの1つだ。

毎年1回開催される国際会議は「HackOsaka」と称し、IoT分野の国際的な著名人を招き、世界の潮流と連動すると共に、海外の大企業やVCと日本の起業家との出会いの場を提供している。今年のHackOsakaでは、スマートウォッチのPebbleを開発し、クラウドファンディングのKickstarterで10億円を調達したエリック・ミジコフスキーさんなどが登壇した。

この他にも各種の勉強会や、起業家、VC、エンジェル投資家やメンターが集うモーニングミートアップなど、わずか1年の間に「イノベーションのエコシステム」づくりを目指す活動は急ピッチで進み、成果も次第に現れつつある。

大阪イノベーションハブを拠点にさまざまな先進的な製品開発が加速している。第2部ではOIH主催のハッカソンからアイデアが生まれ育って、今やシリコンバレーからも注目されているMoffの話を伺った。

IoT時代のおもちゃ、”Moffバンド” はこうして生まれた ──大阪イノベーションハブ(2)へ続く
ハッカソンのアイデアを、アイデアのままで終わらせないために──大阪イノベーションハブ(3)
失敗してなんぼ。イノベーションを生み、育てる流儀とは?──大阪イノベーションハブ(4)

関連リンク
大阪イノベーションハブ
HackOsaka


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