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社会課題を解決する先進的なアプローチをご紹介します。

さまざまな起業家や、企業間の支援を行い、イノベーションの創発に取り組んでいる大阪イノベーションハブ。これから何を目指し、どのような活動をしていくのか。また、イノベーションを起こすうえで必要になる育成についてお話を伺った。

自治体発、熱い起業家を引き寄せる本気のイノベーション支援とは?──大阪イノベーションハブ(1)
IoT時代のおもちゃ、”Moffバンド” はこうして生まれた ──大阪イノベーションハブ(2)
ハッカソンのアイデアを、アイデアのままで終わらせないために──大阪イノベーションハブ(3)

マッチングして「流れ」をつくることが重要

OIHは大阪市が4つの組織の共同事業体に委託して管理運営している。株式会社サンブリッジグローバルベンチャーズ、公益財団法人大阪市都市型産業振興センター、公益財団法人都市活力研究所、そして代表機関である株式会社国際電気通信基礎技術研究所(以下、ATR)だ。

学研都市の研究機関として27年間蓄積した技術シーズと、共同研究の実績から築いた海外の研究者との太いパイプ。そのアドバンテージを活かし、起業家がテクノロジーを事業化して海外へ進出する入口のメンターとして支援し、イノベーションのエコシステムを回す。それがATRの役割だ。

「イノベーションのハブとして重要なのは、さまざまなプレイヤー同士のつながりをつくること」とATR社会メディア総合研究所研究企画部長の宮下敬宏さんは語る。


株式会社国際電気通信基礎技術研究所 社会メディア総合研究所研究企画部長 宮下敬宏さん

「そのためには、単純なマッチングではなく、イベントのしつらえを工夫して、流れをつくる必要があります。イベントを盛り上げて終了ではなく、そこで得たものを発展させるには誰に会えばいいのか、どのイベントに参加したらいいのか、といった次のアクションへの誘発を仕掛けておく」

発展系のイベントとして興味深いのは、吉本興業株式会社とジョイントしたビジネスピッチコンテスト。漫才のノウハウに基づく「魅せるプレゼンテーション技術」のプロが吉本興業だ。「突っ込まれピッチ」では、吉本興業の審査員が「そんなつまらない格好で人前に立つことから間違ってる」と服装にも突っ込みを入れ、楽しくしゃべるコツ、人を引き込むコツなどを伝授した。

失敗しても必ず這い上がれる道筋を示す

OIHの目標は、大阪がイノベーションを生み出す拠点として認知されること。そのために「10万人とつなぐ」「プロジェクトを100件生み出す」のが、さしあたっての数値目標だ。今のところSNSとウェブサイトで約6万人とつながっている。ハッカソンやワークショップでスタートアップのチームが約150生まれ、大阪市と共同事業体が判断したところでは22件ほどの有望株がある。

「1年を過ぎて見えてきた課題は、人材〈発掘〉以前に人材〈育成〉の大切さ」と宮下さんは感じている。ある調査では、日本の就業人口に占める「起業スキルがある」と考えている人の割合は約15%に過ぎず、50%近いトップのアメリカ、イギリスに大きく差がつき、30%の韓国・台湾にも水を開けられ、最下位(10%未満のロシア)から2番目に低い。若い人たちをエンカレッジして「イノベーションマインド」を養成するには、どんな育て方が必要なのだろうか。

「失敗しても必ず這い上がれる別の道筋を示してあげることが重要です。海外の起業家はもっと気楽で大胆に取り組んでいます。実際、VCにとっても、失敗の経験がある起業家のほうが何らかの教訓を得ているから安心して投資できるわけです。500StartupsのCEO、デイブ・マクルーアもHackOsakaで〈失敗があってこその成功。失敗を恐れるな〉とのメッセージを残してくれました」。

イノベーションを起こすプレーヤーを巻き込む共創の場であると同時に、起業家マインドを醸成する場にもなること。大阪発のグローバルイノベーション創出支援事業は、2年目にして早くも大きく羽ばたこうとしている。

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関連リンク
大阪イノベーションハブ
株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)


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