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社会課題を解決する先進的なアプローチをご紹介します。

2回目の“発散”と“収束”は手を動かして――。毎週のゼミでアイデアを詰めていった学生に向けた次のステップは、チームでの“プロトタイピング”。学びとして楽しみながらも、実際に何をどう形にしていくのか。スタートから2カ月後、第2の関門が用意された。

“発散”と“収束”の繰り返しが学びを変える ――立教大学佐々木ゼミの挑戦(1)
体験のプロセスそのものが“新しい学び” ――立教大学佐々木ゼミの挑戦(3)

シーンをプロトタイプすることで見えてきた“イメージ”

富士通フォーラムから約3週間後の6月6日(金)夕方、ゼミ生と富士通社員が立教大学池袋キャンパス4号館に揃った。この日のゼミは富士通スタッフがファシリテートするワークショップだ。

ゼミ生たちは3週間、発見や知見、さらに出てきた自分の興味のアンテナをもとにブラッシュアップしたコンセプトシートをベースに1人1分間のプレゼンテーションを実施。それを投票やテーマで分類し、1グループ7~8名程度のチームを7つ編成した上でチーム内で具現化するアイデアを3つに絞った。

今回のワークショップは、レゴブロックや発泡スチロールといった工作用の材料を使って「実際にサービスが使われているシーン」をプロトタイピングする。さらに、そのプロトタイプを利用し、チームメンバーが即興で演じる使用場面のムービーをスマホで撮影する。いうなればアイデアソンに「ハッカソン」の要素を少しだけ加味した試みだ。今回のワークショップのねらいについて、富士通総研の黒木さんは次のように語った。

「机上で考えるだけでなく、自分たちの手と体を動かしながら実際にものづくりしてみることで、新しい視点やアイデアの深まりが生まれるはず。大切なことは〈誰に向けて、どんなことを体験してほしいか〉を意識しながら自由につくってほしい。40分間と時間がタイトなので完成度は求めません」


株式会社富士通総研シニアコンサルタント 黒木昭博さん

形にしてみることで初めてわかることがあった

実は、ゼミ生たちには、ワークショップで何をやるかは知らされていなかった。限られた短い時間で即興的に何かを成し遂げることによって、思ってもみなかった創造性が発揮されるプロセスを体験してほしかったからだ。

その結果、チームごとに段ボールや画用紙、グルーガンなどその場で与えられた材料を使って、時間内にプロトタイプと即興ムービーを完成させた。全体のファシリテーション担当、シーンの構成を考える担当、ディテールをつくり込む担当など、各自の役割が自然と分かれ、プロトタイプづくりに取り組んでいた。学生ならではの柔軟性かもしれないが、コアメンバーが腐心したチームビルディングの成果が現れ、おのずとチームワークが発揮される土壌が整っていたともいえるだろう。


それぞれが自分の強みを活かして役割分担し、作業に取り組んだ

今までアイデアを企画することはあったが、シーンをプロトタイプすることははじめてと異口同音に話すゼミ生たちは“実現性”が不足していることを痛感したと話す。

「時間は短かったけれど、意外に自分たちのイメージしていたとおりのものがつくれたし、目で見ることによって、実現できるかもしれないと思えた」

「つくってみるだけではなく、使っているシーンの動画を撮ることによって、チームメンバーでイメージを共有することができた」

「つくってみて初めて、よくわからなかった部分のイメージがハッキリしたし、これをきっかけにメンバーが仲良くなれてチームワークが強まった」

富士通のグローバルマーケティング本部から参加したオブザーバーからは「アイデアがポンポン出て来て元気だな、と。富士通社員も負けてられないと思った」「いちばん印象に残ったのは〈静脈センサーによるパスワード管理〉。まさに私のチームがやっている仕事に近く、感銘を受けた」といった感想が寄せられた。

その後、プロトタイプの模様とムービーは学生と富士通社員が参加するFacebookグループにアップされ、ゼミ生全員に共有された。グループ内ではワークショップをもとにさらに練り上げた企画書を提出し、富士通社員と率直な感想を交換しあう光景が見受けられた。アイデアがさらに煮詰まっていったころ、いよいよ前期ゼミの終わりが近づいてきた。

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