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なぜ企業が社会的な活動を支えるのか ――ヒストリーピン後編

2014年09月19日



なぜ企業が社会的な活動を支えるのか ――ヒストリーピン後編 | あしたのコミュニティーラボ
社内外の人を巻き込み、さまざまなプロジェクトを進めている原田さん。その原動力はどこにあるのか。また、活動の先に見据えている、企業が社会的活動に関わる意義について話を聞いた。

オープンデータがもたらす、まちの記憶と地域の交流 ――ヒストリーピン 前編

社会変革の下支えとなる

ところで、原田さんの名刺の肩書きには「クリエイティブ・メディエーター」とある。聞き慣れない言葉だが、上司と一緒に考えた造語だという。何かを成し遂げたい人たちの間に立って、その活動を加速させていくエネルギーになるような人。これまでのユニークなキャリアを知れば、納得のいく造語であることがわかる。

そもそも原田さんはエンジニア出身。ソフトウェアのプログラマーとして富士通に入社した。もっとユーザーに近いところで仕事をしたい、とかねがね思っていたところ、直接ユーザーの話を聞く手法を研究開発する富士通研究所のチームの人員募集を知り、社内応募制度を利用して異動した。

インタビューを通じて表面的な需要や欲求ではなく、顧客の「想い」を深く捉える方法論の開発・実践・伝授に携わる。そのうち富士通研究所が「ソーシャルイノベーション」という大きな研究テーマを掲げ、そのリサーチメンバーに加わることとなる。

「社会的な活動に携わっている人たちをサポートしたり、社会変革を起こしやすくするしくみをつくって下支えすることがわれわれの役割ではないかと、そのとき思ったのです。テーマは〈まちづくり〉に絞り込みました」

そこで2011年11月に立ち上げたのが、まちづくり活動に携わる人たちをつなぐポータルサイト「まちばた.net」だ。子育て支援や商店街活性化など、個別のテーマに取り組む人たちのさまざまな活動を「まちづくり」という大きな視点でくくり、ハブとして機能するサイトが必要と原田さんは考えた。まさに「間に立って活動を加速させる」役割にほかならない。


まちばた.netは人と人をつなぐハブの役割を果たしている

「その一方、企業として〈まちばた.net〉をどう役立てるか、という視点で見るならば、NPOや地域団体といった〈新しい公共〉の担い手となる人たちとつながれるプラットフォームとして機能すると考えました」

「まちばた.net」も「ヒストリーピン」も根底にある意図は一貫している。

社会変革のプロセスにビジネスチャンスがある

ヒストリーピンとまち歩きを組み合わせた市民参加型のワークショップを自治体に提案したり、ユーザーとの交流を目的とした企業のイベントにヒストリーピンを活用するなど、原田さんはさまざまなチャネルを通じ展開を図っている。

ヒストリーピンがおもしろいのは、写真というメディアを使うことで、個人的な思い出を起点に「まちとひとの記憶」を誰もが共有できるところだ。地域の歴史を振り返るたぐいのイベントだと、知識自慢の郷土史愛好家だけの集会になりがちだが、ヒストリーピンの扉はもっと多くの人に開かれている。世代間の交流が地域で促進される可能性が高く、すっかり希薄になってしまったコミュニティーのつながりを取り戻すきっかけの1つになるかもしれない。

「まちばた.net」も「ヒストリーピン」も、社会を良くしようとする人たちを下支えする取り組み。なぜそこにこだわるのか。原田さんの答えは明快だ。

「社会のしくみが変化すると、それを支えるICTが必要になる。そこにビジネスチャンスがあるのが富士通という会社だと捉えています。つまり、その変化に立ち会えなければ出番がない。そのためには、さまざまなセクターで社会のしくみを変えようとしている人たちと早めに接点を持ち、変わりゆくそのプロセスに関わること。そうすることで、これからのビジネスチャンスにつながっていくのではないか、変化が起きてからでは遅いのではないか、と考えています」

オープンデータがもたらす、まちの記憶と地域の交流 ――ヒストリーピン 前編


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