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社会課題を解決する先進的なアプローチをご紹介します。

ソーシャルビジネスに必要な「まちづくり五箇条のご誓文」とは? ──NPO法人えがおつなげて(3)

2014年10月15日



ソーシャルビジネスに必要な「まちづくり五箇条のご誓文」とは? ──NPO法人えがおつなげて(3) | あしたのコミュニティーラボ
農業を通じて地域に企業に新しい価値観をもたらしてきたNPO法人えがおつなげて。そこに集まるメンバーは、農業ビジネスや地域社会づくりに興味を持ち集まるとともに、根底にある“課題解決”の方法を学び、充実した毎日を送っている。彼らはなぜ棚田に集まり、えがおつなげての理念はなぜ広まっていくのか、話を聞くと、そこに流れる“あるルール”が見えてくる。全3回でお届けする、最終回。

新たな共有資産は、田舎に眠る ──NPO法人えがおつなげて(1)
都市と農村がつながる地域共生型社会モデルのつくり方 ──NPO法人えがおつなげて(2)

朝日とともにはじまり、夕日とともに終わる生活

企業ファーム事業担当の齋藤あいさんは、2010年に補助金事業の求人枠に応募し採用された。実家は兼業農家。青年海外協力隊に参加しガーナの農村で活動した経験を通して、農村に対する問題意識が強くなった。ビジネスで農の文化を守る活動を実践している組織で働きたかったので、希望がかなっている。

NPO法人えがおつなげて企業ファーム事業担当 齋藤あいさん

「増富地区の耕作放棄地率は43%。企業ファーム事業はまだまだ広げられます。企業規模によって作物、農地面積、契約金が違うので、多種多様なパターンで拡大していきたい。5年後には今の2倍強に、というのが目安です」

今年8月から市の委託事業「有機農業協力隊」としてスタッフになった駒込将之さんの前職は、ウェブサイトやソーシャルゲームの制作。人生に立ち止まり、曽根原さんの著書『日本の田舎は宝の山』を読んで決断した。

NPO法人えがおつなげて有機農業協力隊 駒込将之さん

「両親の実家の山形で田舎体験した幼心がよみがえったのと、農業に限らず地方の課題解決の手段としてITのスキルが役立つのではないかと考えました」

午前10時に出社し深夜に帰宅する生活が、「陽が昇ってはじまり陽が沈んで終わる生活」に様変わりした。有機農業は虫との戦いや草刈りなど分刻みの作業に追われる。イベント実務やウェブサイトの改修更新なども手がけ、刺激に満ちた充実の日々を送っている。さまざまな能力を試されるが「地域ぐるみで連携する事業なのでコミュニケーション能力がいちばん必要」と駒込さんは話す。

まるでパズル、曽根原流ソーシャルビジネスのはじめ方

曽根原さんは先の著書で、ソーシャルビジネスを起業するエッセンスとコツを「まちづくり五箇条のご誓文」としてまとめている。それによれば……。

1. まず、始めるべし————思い立ったが吉日、好きこそものの上手なれ。
2. 楽しい小さなモデルから始め、こっちの水は甘いよとアピールし続けよ。
3. 既成概念を疑うべし。なおかつ既成概念をおおいに利用すべし。
4. イベント貧乏になるなかれ、その後につながる「しくみ」をつくるべし。
5. 愛と自主性と執念を基本に置くべし————思う念力岩をも通す。
(『日本の田舎は宝の山』より)

いずれも身をもって体験した実践から出た言葉だ。95年に移住してから一度もくじけそうになったことはないと話す曽根原さんだが、「いろんな意味で壁だらけでしたよ」と振り返る。

「三菱地所さんとの間伐材プロジェクトも、最初の製品ができるまで3年かかっています。前例のないことに挑むのだから壁が立ちはだかるのは当然。でも、それを解くのはパズルみたいで楽しいじゃないですか」と曽根原さんは言う。立ちはだかる壁を超えるのを楽しむ。それが一番の鉄則かもしれない。

新しい価値観を広げることを苦労と思わず、自分自身が精一杯楽しむことで、周りに大きな人の輪が生まれていく。曽根原さんやえがおつなげてのメンバーたちが山梨県の奥地を中心に作るのは、地域社会、企業、そこにいる個人のポジティブなパワーをさらに増幅させる、まさに“えがおをつなげる場”だ。

新たな共有資産は、田舎に眠る ──NPO法人えがおつなげて(1)
都市と農村がつながる地域共生型社会モデルのつくり方 ──NPO法人えがおつなげて(2)

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