Cases
社会課題を解決する先進的なアプローチをご紹介します。

たった1つのプロダクトがメガネメーカーの可能性を拡張する ――JINS MEMEを通じてジェイアイエヌが目指す世界(前編)

2014年10月16日



たった1つのプロダクトがメガネメーカーの可能性を拡張する ――JINS MEMEを通じてジェイアイエヌが目指す世界(前編) | あしたのコミュニティーラボ
それまでのメガネの領域を超え、広い支持を獲得した大ヒット商品「JINS PC」から2年。メガネブランドの最大手として新たな挑戦を続ける株式会社ジェイアイエヌが次に手がけたのは、なんと“ウェアラブルデバイス”としてのメガネ「JINS MEME(ジンズ・ミーム)」だった。「メガネメーカーの可能性を広げた」と各分野に驚きを与えた製品の開発を可能にしたのは「全社的な共創体制」。ジェイアイエヌが考えるものづくり、そして「メーカーの未来」について、開発担当、そして、会社組織をつくる方々に前後編でお話しを伺った。

事業ドメインを拡張するプロダクトの生み出し方 ――JINS MEMEを通じてジェイアイエヌが目指すもの(後編)

JINS MEMEとは。そして開発の経緯について

パソコンやスマホ、その他デジタル機器から発せられるブルーライトから眼を守るメガネとして、視力矯正という本来のメガネの目的を超え、新たなユーザー層を獲得した「JINS PC®」。そんな画期的な商品開発から2年、メガネブランドがつくるウェアラブルデバイスとして注目を集めているのが「JINS MEME」だ。

Apple Watchをはじめ近年話題となっているウェアラブルデバイス。メガネ型としてはGoogleグラスが注目を集めているが、この「JINS MEME」は、通常のメガネ感覚で使用しながら、スマートフォンの専用アプリと連携させて眠気や疲れ、姿勢など、自分では気づかない健康情報を“見る”ことができるという、まったく新しいメガネとなっている。

「当社代表取締役の田中(仁)が、脳トレで有名な東北大学 加齢医学研究所の川島隆太教授に面談をしたのがきっかけでした。“いろいろな方の知見を活かしてものをつくる”というのが当社の基本的なスタンスですが、その時点では特に具体的なアイデアがあるわけでもなく、オープンに『何かできないですか?』と相談させていただきました(笑)」。そう話すのは、JINS MEME開発の中心人物であるR&D室の一戸晋さん。


株式会社ジェイアイエヌR&D室 一戸晋さん

「当初は、『頭が良くなるメガネなんてできないですか?』といった雑談レベルからはじめ、月1程度のペースでブレストを行っていました。そのなかで川島教授にご紹介いただいた芝浦工業大学 工学部電子工学科の加納慎一郎准教授が、『今まで4点センサーで取っていた眼電位を新しく3点で取れるようになり、メガネに載せられるかもしれない』とおっしゃって。その時点で具体的な活用アイデアはなかったのですが、まずはそれを深堀りしてみようということになったんです」

最初は技術ありきで、それがどう使えるのかは未知数だった。

「『センサーによって目の動きがわかれば、眠気がわかる。となると集中度もわかるはず……』。そんなふうに考えていた2012年、関越自動車道で、運転手の居眠りを原因とした高速バスの大きな事故があったんです。『メガネで眠気がわかれば、この事故は防げていたのではないか?』という思いが契機となって、具体的にプロジェクトが進行することになりました」(一戸さん)

JINS MEMEを主導した新組織R&D室、ジェイアイエヌの社風について

現在JINS MEMEの開発の中心にいる、一戸さんが所属するR&D室は、偶然にもJINS MEMEのプロジェクト化とほぼ同時に結成された。

「川島教授とのブレストの時点では、代表の田中と、マーケティング室長、そして社長室在籍の者の3名体制でした。ちょうどその頃『JINS PCのような新しい商品をつくっていけるようにしよう』という機運が高まっていて、それをミッションとしたR&D室が立ち上がることになりました。タイミング良く、その頃にJINS MEMEがプロジェクト化されることとなり、これをR&D室が推進することになったんです。通常のJINSの商品開発体制は、世の中のトレンドや新しい素材をリサーチして商品を企画するグループ「商品企画グループ」と、生産と製造を取り仕切る「調達グループ」、そして上流に「マーケティング室」があり、その3部署がそれぞれ「こういう製品ができないか、こういう素材を使えないか」と提案しています。そして、アイデアや知見を持っている人が手を挙げ、具体的に開発していく。しかし、今回のJINS MEMEプロジェクトはR&D室が極秘プロジェクトとして進めることになりました」


極秘プロジェクトとして開発が進められた「JINS MEME」

こうして開発されたJINS MEME。スマートフォンアプリと連動させるなどの「ウェアラブルデバイスとしての機能」と、販売するにあたってあらゆる人にフィットさせる「メガネとしての機能」とを両立させなければいけない。前例のない商品に対する社内の声について一戸氏はこう語る。

「みんなおもしろそうな目で見てくれていますね。実はJINS MEMEは、会社のなかでも超極秘プロジェクトとして進めていたので、発表会当日まで社内で10人くらいしか知らなかったんです。発表後すぐ周囲からの反応があり、みんなおもしろそうな目で見てくれています。もともと田中をはじめ当社は新しいチャレンジを追い求める気風が強く、さまざまな製品に挑戦しています。実際、私もアプリに連動した製品を担当するのははじめてです。この製品は、特に発表した途端に社内の士気が高まったように感じますね。企画、調達、流通、宣伝、販売、宣伝といった各グループがオープンに意見を交わし、ぐるぐると回るように有機的かつオープンに仕事をするのが弊社の特徴。だから、はじめは極秘開発ゆえに、彼らの意見を聞くことができず苦労もありました。でも、発表にこぎつけたら、開発メンバーじゃなかった人が『こういうことなら俺の出番だろ』と入ってきてくれて、実際に今は彼らが中心になってくれているんです」

極秘プロジェクトにはじまり、今ではオープンに内外の意見を交えながら開発が進展しているという「JINS MEME」。後編では、この躍進を可能にした、企業としての制度や職場づくりの取り組みについて深掘りしていく。

事業ドメインを拡張するプロダクトの生み出し方 ――JINS MEMEを通じてジェイアイエヌが目指すもの(後編)

JINS MEME(ジンズ・ミーム)


いいね!を押して
Facebookページをフォロー

あしたラボの最新情報をお届けします。

Twitterであしたラボ(@ashita_lab)をフォローしよう!

皆さんの感想をお聞かせください!





  • facebook
  •  twitter
  • USTREAM
  • RSS

Copyright 2017 あしたのコミュニティーラボ