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グリーンITに化学変化を起こすアイデアたち――Green Hackathon TOKYO(後編)

2014年11月21日



グリーンITに化学変化を起こすアイデアたち――Green Hackathon TOKYO(後編) | あしたのコミュニティーラボ
緊張の瞬間――。「Green Hackathon TOKYO」(グリーンハッカソン東京)のハイライトは、なんといっても最終プレゼンテーションと審査発表だ。楽しみながらハッキングした結果、新たなグリーンITのサービスやイノベーションは起こるのだろうか。自分たちの考えたサービスがどのように評価されるのか、会場に緊張が走る。後編は各チームの発表内容とそこから新しいグリーンITの道筋が見えるか実際の審査の様子をお届けする。

地球をハックせよ! グリーンITの潜在能力を引き出す――Green Hackathon TOKYO(前編)

(TOP画像提供:グリーンハッカソン実行委員会)

環境×ハッキングがもたらす、明るい未来

2日間にわたるハッキングを終え、いよいよ最終プレゼンテーションとなったグリーンハッカソン。ファシリテーターは、さくらハッカソンでもモデレーターを務めていただいた株式会社Eyes, JAPAN代表取締役の山寺純さんだ。

参加10チームによる発表を受けて決定する各賞は、6つの企業賞(アカツキハッカーズラボ、NTTドコモ・ベンチャーズ、ガイアックス、フォトシンス、リバネス、Yahoo)と、5名の審査員による「最優秀賞」で構成される。最優秀賞の審査基準は「自然環境への貢献度」「人間の快適性」「革新性」「技術力」「情熱」の5ポイントが評価項目となる。


モデレーターを務めた株式会社Eyes, JAPAN代表取締役 山寺純さん

地域特性見える化ツールのデータを提供した富士通の清宮さんは、自身も「チームアグドル」に参加した。Yahoo賞を受賞した同チームのサービスは、チーム名の通り、“アイドルで農業を活性化させる”Webサービスだ。それは「働き手を求める農業」「知名度をアップさせたい地方アイドル」、そして「バーチャルとリアルをさまよい悶々とする男」を育成ゲームなどの機能を備えたウェブサービスを起点にリアルな農業イベントと結びつけ、Win-Win-Winの関係を築こうとするもの。地方アイドル活性化が、そのまま現地の農業活性化につながっていく。


Yahoo賞を受賞したチームアグドル

今回のハッカソンイベントに参加した清宮さんは、このハッカソンへの参加意義をこう話してくれた。

「アイデアは思いつくけど、どうやってサービスに落とし込むかが難しかった。普段使っていない脳を使うという、その過程がすごく楽しい。社外の皆さんと知り合え、今後は地域特性見える化ツールをオープンイノベーションするときにもこの人脈を活かしていきたいです」

富士通総研から参加した石本昌子さんは、チーム「AHOGEハカセと萌家電パパと発熱少女」に参加。3名でつくった「エナジークエスト」は、NTTドコモ・ベンチャーズ賞を受賞した。分電盤の電力消費量をリアルタイムで取得し、選択した国の電力消費量よりもよりも少ない電力量で生活できればミッションをクリアできる“電力消費量格差体感ゲーム”となっていて、電力消費量に応じてしおれる動作をするデバイス「アホ毛」とともに、ユニークな仕掛けのあるゲームをつくりあげた。


ヘルメットにつけられたデバイス「アホ毛」、状況が可視化されとても見やすい

「ものをつくりあげることがハッカソンの目的ですが、それ以上につくりあげていく過程でいろいろな人に出会えるのがすばらしい。しばらくのあいだ、メンバーと一緒に過ごすことで、自分のアイデアも叩かれながら磨かれていくプロセスが楽しかった」(石本さん)

ドラマティックな展開で優勝を奪ったのは……あのチーム

こうして参加10チーム中、6チームが企業賞を受賞し、クライマックスは最優秀賞の発表だ。最優秀賞を受賞したのはチーム「学校にいこう」となった。

当初2名で編成されていた同チーム。アイデア構築において高い壁にぶち当たり、2日目に急遽サポート役を増員、開発には数時間だけ参加した。行き詰まりからの大逆転で最優秀賞を受賞した。


最優秀賞を提供したチーム「学校へいこう」(画像提供:グリーンハッカソン実行委員会)

スマートフォンアプリ「学校へいこう」は学生専用のアプリで、チームのメンバーは「地方の学生と一緒につくっていきたい」と話す。サービスでは、NTTドコモやウェザーニューズの気象APIを使用し、降水量、紫外線量、花粉飛散量などの気象情報をアプリと連動させる。

ユーザーは、学校名、学部、最寄りのバス停、写真などを登録し、ドライバーにもあらかじめ車種や写真を登録しておいてもらう。たとえば、悪天候の日、ユーザーが「○限目の△△キャンパスに行きたい」と登録すれば、同じ時間・同じ場所に行くドライバーを探し、相乗り申請が可能となる。同じ学校に通う学生同士が相乗りをするという文化が、エコ活動につながっていく。

そのほかのチームの発表は下記のとおり。

No. チーム名/サービス名

1. 婚活ロドリゲス/エココン
2. AHOGEハカセと萌家電パパと発熱少女/エナジークエスト
3. Ecoin Parking/Ecoin Parking
4. 学校へ行こう/学校へ行こう
5. Green BnB/農家の朝ご飯
6. うるとらばいおれっとれいず/紫外線予想と日焼け予想アプリ
7. GDLC-Green de love confession/GreenLove
8. 畑で働け/畑で働け
9. スーパーおばあちゃん/熱Diary
10. チームアグドル/Local Agdol

新鮮な発想力がグリーンITにイノベーションを起こす

使用電力をパターン化し婚活に結びつけるツールや、Twitter APIを“告白”に活用し環境団体に寄付を行うツールなど、エンターテインメント要素も多く含まれるサービスも多く発掘された今回のグリーンハッカソン。すべての審査を終えた審査員たちは、一様に新しいサービスに目を輝かせながら、このように語った。


告白と寄付をかけあわせた、チーム「GDLC」。発表チームの中でも特にインパクト大だった


村上臣氏(ヤフー株式会社執行役員CMO)

「Yahoo!が開催した学生参加のハックイベントでも、『学校へいこう』同じようなアイデアがあった。学生側からも開発者側からも求められているサービスなのだと感じた。ぜひ賞金を資本金にサービスを実現してもらいたい」


丸幸弘氏(株式会社リバネス代表取締役CEO)

「実は私が一番印象深く思ったのは、チーム『GDLC』の“告白”と“寄付”を組み合わせるというアイデア。まさかそんな発想が出るとは思わず、驚きました(笑)」


上田祐司氏(株式会社ガイアックス代表執行役社長)

「グリーンITで課題解決していく活動はこれからもっと増えていくでしょう。2日間でこれだけのことができたのですから、これからも世の中にインパクトを与えるような活動をしてもらいたい」


並河進氏(株式会社電通ソーシャル・デザイン・エンジン クリエーティブ・ディレクター)

「事業的なものから、キャンペーン的な気づきを与えるものまで幅広かったです。データを使ってビジュアライズするようなアイデアがあったら、もっとおもしろかったかも」


村上敬亮氏(内閣官房 まち・ひと・しごと創生本部 内閣参事官)

「グリーンITで肝心なのはビックデータをどう使うのか。ソリューションありきではなく、データとアイデアの組み合わせ次第で、今まで気づかなかったソリューションが出てくるかもしれません。技術とテーマの融合に期待します」



画像提供:グリーンハッカソン実行委員会

最後に、ファシリテーターの山寺さんは、次のように総括した。

「“地方アイドル”から“地中熱”まで、発表全体のレンジが本当に広かった。僕自身も勉強になりました。あとは『全体の構想のここまでできていて、今はここまで。あと何カ月でどのくらいのお金を入れたらここまでできる』といったビジョンがあると、もっと次につながっていくと思います。あと持ってほしいと感じたのが「ソーシャルエンジニアリング」の考え方。チーム内だけではなく、モデレーターやスタッフにも意見を求めたり、交流したりするアクションがほしかったですね。懇親会が終わるまでがハッカソンですので、みなさんもっと交流しましょう(笑)」

こうして終わったアジア初のグリーンハッカソン。非常に幅広いジャンルのアイデアが出たことが印象的だった。さっそく参加企業とのコラボレーションの話に花を咲かせていたチームも数多くあった。エンジニアたちの発想力があれば、グリーンITの可能性はますます広がるはずだ。今後も地球環境保全を舞台に活躍するものづくりの担い手たちを応援していきたい。

地球をハックせよ! グリーンITの潜在能力を引き出す――Green Hackathon TOKYO(前編)


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