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あしたラボUNIVERSITY 出張授業 その1──上智大学(後編)

2015年02月18日



あしたラボUNIVERSITY 出張授業 その1──上智大学(後編) | あしたのコミュニティーラボ
「あしたラボUNIVERSITY」のプログラムとして開催された、上智大学出張授業。前半の刺激的なインプットを終え、後半は同大学経済学部経営学部の山田幸三ゼミのメンバーと富士通グループの社員が共創し、新サービスのアイデアのもとを生み出す、「アイデアスプリント」が実施されました。

あしたラボUNIVERSITY 出張授業 その1──上智大学(前編)

ワークショップでアイデアを発散

後半60分では「アイデアスプリント」と銘打ち、「ICTを使って世界を四ッ谷に釘付けにする製品・サービスを考える」をお題にしたグループワークが行われました。

「アイデアスプリント」とは、考えたアイデアの課題を短期間(短時間)のスプリント(短距離走の意)で検討する方法で、「①数多くアイデアを出す」「②アイデアを選定する」「③プレスリリースをつくる」という3つのワークから成り立っています。当日は、次のような順序で進んでいきました。
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頭をひねりながらアイデアスプリントに挑戦

1.参加者は4~5名のチームを編成。各自に1人1枚のアイデアカメラ+のワークシートが配布されます。各チームには、富士通グループの社員も加わり、多様なメンバーで構成された8チームができました。

2.ワークシートには、あらかじめ学生のフィールドワークで撮影された写真(四ッ谷の特徴をつかんだ場所、人、物)がランダムに4点掲載されており、参加者はそれらの写真から得たインサイト(直感、発見)をワークシートに書き上げます。

今回配布されたワークシート「アイデアカメラ+」

3.次に、たとえば「○○が消えた街、四ッ谷。○○にとって世界一優しいまちに。」などの複数のフレームを参考に、インサイトを「アイデア」に落とし込みます。ここまでが個人ワークの時間です。

4.ここからはグループワークに移ります。まず、各々が完成させたワークシートをチームメンバーで回覧。他のメンバーのワークシートにも、自分のアイデアを書き込んでいきます。
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考えたアイデアをもとにチームでプレスリリースを制作

5.こうしてチーム内の4~5名に回覧することで、1チームにつき、たくさんのアイデアが生まれました。最後にチームで議論し、数あるアイデアから代表を選出。そのアイデアのプロダクト・サービスを考え、1チーム1分のプレゼンでプレスリリースを紹介します。

単純に考えたアイデアを1つにまとめるのではなく、新たなニュースを対外的に発信するためのツールであるプレスリリースの作成を通じて、短時間でより良い(市場やターゲットに価値ある)アイデアにするために参加者それぞれがユーザー視点になって考えてみることを狙っています。

40分で100のアイデア

この日できた8つのチームは、わずか40分という限られた時間で、ワークシート記入からプレスリリース作成までを終えました。個人ワークでできあがったアイデアは100以上。キーノートの本田さん、上保さんもワークシートの作成に挑戦しましたが、大学生の柔軟な発想に驚きの声を上げていたほど。
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学生と社会人が一緒になって四ッ谷の新たな魅力を引き出すアイデアを対話

そもそも四ッ谷は、大学や企業の多いまちです。休日になると学生やビジネスパーソンがいなくなりますが、一方で、教会の多い四ッ谷には、ミサに訪れる外国人が集まります。学生たちは通学する四ッ谷の地域特性をつかんだうえで、自分たちがほしいもの、そして、このまちの人たちがきっとほしいものを真剣に考え、IT技術を駆使したプロダクト・サービスを考えました。授業に参加した山田ゼミ・ゼミ長の内田翔太さん(3年)と森口勇気さん(2年)は、それぞれチームで次のようなプレスリリースを作成しました。

「四ッ谷のまちには情報が少なく『謎の多いまち』だと思うんです。ならばそれを逆手にとって、四ッ谷で“謎解き”することで、休日でも人が集まる場所に変えられると考えました」(内田さん)
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各チームでデコレーションを施したプレスリリースを1分間で発表

「タクシー乗り場で外国人が困っているのを見かけます。だから外国人にやさしい四ッ谷にしていきたいと意見がまとまり、ウェアラブルな眼鏡で語学の障害をなくすサービスを考えました」(森口さん)
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「共創という言葉の意味がうっすらと理解できた」と話す内田翔太さん(3年・手前)と森口勇気さん(2年・奥)

ほかのチームからも「混雑を解消し、待ち時間をなくしたい!」「四ッ谷を財布いらずのまちに変える!」「昼食難民に告ぐ! 入ったことのない店も入りやすく!」「ジャパンレスな1時間! 日本語をしゃべってはいけないアプリ」「二次元をリアルに! わざわざ行きたくなる四ッ谷へ!」「迷子にならないための、情報入手眼鏡!」など、事務局が想像していなかった斬新で興味深いプレスリリースが発表されました。

学生にとっても社会人にとっても新鮮な「共創」体験

8チームのプレゼンをすべて終え、ファシリテーターの黒木さんは「実際のビジネスでは、ここからもうひとひねり、ふたひねりしていかなければいけませんが、多様な人が集まり、考え、違う視点でそのアイデアを揉むことで1人では考えつかないアイデアが生まれると実感したのでは」と、学生たちに問いかけます。

授業終了後、内田さんと森口さんに今回の感想を聞くと「富士通の方と一緒に考え、普段僕らだけでは気づかないことを見つけられたことが、新サービスのアイデアにつながった」「いかに意見をすぐに出せるかが重要なグループワークは、普段できない経験で楽しかった」と口をそろえ、「共創」の威力を感じ取ったようです。一方で、参加した富士通社員からは「学生と同じ目線で対話してワークを進める経験は今までなかったので新鮮だった」と、普段の業務とは違った目線で取り組めたことの意義を感じたようです。
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最後は参加者全員で記念撮影!

こうして終了した上智大学出張授業。授業を最後まで見届けた山田幸三教授は、学生たちに向けて、次のように総括しました。「今日の授業で重要なことは2つあります。1つは、異質なメンバーが集まったこと。異質な情報が組み合わさることで相互に価値が高まります。もう1つは、地域にある歴史的かつ社会的なコンテキストを認識し、何を課題と見なすのかを考えなければいけないということ。とても有意義な、“目からうろこ”の時間になったのではないでしょうか」。

「未来のイノベーター」の可能性を秘めた学生のみなさん。あしたラボUNIVERSITYではこれからも共創チャレンジに取り組んでいきます。

出張授業は今回が第1弾。第2弾、第3弾と全国各地の大学で展開予定です。あなたのまちの大学にも出張するかも……?

あしたラボUNIVERSITY 出張授業 その1──上智大学(前編)

関連リンク
上智大学経済学部経営学科・山田幸三ゼミ


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