地域から起こるこれからのワークライフスタイル探求プロジェクト

地域が自らの働き方を「グローカル」に変えていく ――五城目町・ハバタクを訪問して(3)

2015年4月15日



地域が自らの働き方を「グローカル」に変えていく ――五城目町・ハバタクを訪問して(3)

丑田さんの秋田・五城目町での活動内容やフィールドワークを通して感じた「地域でのワークライフバランスのつくり方」。全3回の最終回は企業が地域に溶け込むための第1歩についての話から、「生活するための仕事」と「地域の仕事」、そのバランスの取り方まで、深掘りします。

企業と地域が関わる1歩目、そのヒント

高嶋 企業が新しく地域に入って何かをしようとするとき、どんな関わり方がいちばん望ましいのでしょう。

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丑田さんとともに働く方々にも地域、そして五城目で働くことについてインタビュー

丑田 ダイレクトに貨幣経済を最初から追求するだけではなく、まずは自給自足や贈与経済で地域の人たちと関わってみて、その体験から何が生まれるか。企業人としては全く未知の経験ですから、まず1つ活動してみると良いのではないでしょうか。

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五城目出身で都心の大企業からUターンし、写真館を継いだ小玉さん。町民有志の学びと実践の場「ごじょうめ朝市大学」の代表も務める

高嶋 都市よりも地域のほうがユーザー体験をしてもらいやすいか、という点はどうお考えですか。

丑田 コミュニティーが小さいので地域かなと思います。たとえば、タブレットの使い勝手を集落まるごとの高齢者に検証してもらったりするという体験があり得ますね。これも地域で信頼されている人のクレジット(信用)に乗せてもらうと、やりやすいと思います。

高嶋 都市では会員登録しているユーザーをピックアップしてお願いする、といった方法になりますが、それだと対価としてお金を払うだけの関係になる。金銭上の関係で貰える情報と信頼上の関係で貰える情報では深さに違いがあると思うので、もしかしたら同じことを調査するにしても、地域でやったほうが、うわべではない本質に触れられるかもしれないですね。

丑田 確かに。比べてみるとおもしろいかもしれません。

自らのワークライフスタイルのさじ加減を主体的に選択できる

西村 都市では自分の仕事が優先で、地域ではそこでの仕事と自分の仕事が毎日同じ割合でやってくる、と。それなら逆に、地域での働き方から都市にいる人たちが学べることはないでしょうか。ここをもうちょっと逆輸入してみたらおもしろいんじゃないか、というのがあるような気がしました。

丑田 たぶん、僕は五城目に移住しなければ、お金を稼ぐ以外の活動の割合を自分でデザインできる視座を持てなかったと思います。つまり、自給自足するのか、助け合ったり交換したりするのか、お金を稼ぐのか。いちばん居心地のいいその割合、さじ加減を自分で主体的に選択できる、ということですね。

西村 仮に東京へ戻ったら、以前と違う働き方ができると思いますか。

丑田 場所によりますね。東京でも谷根千エリア(谷中・根津・千駄木)のようにローカル性の強い場所なら、子どもは地域全体で育てよう、みたいなノリが生まれやすい。ただ、イベントでも話したように、五城目に来たおかげで草の根レベルで想像力の土台が培われ、自然や人との関係性のなかで生きる実感の視点から世界を切り取ることができるようになったのと、自分とコミュニティーと社会全体の間に串を通しやすくなった感覚は、東京に戻っても残るはずだと思います。そういう意味では、都心のどこであっても、ローカルの切り取り方次第で、できないことはないのだとも思います。

西村 そういう働き方、暮らし方は暗黙知に近いところもあるので、本を読んだり、研修で学んだりするより、体感から学んで1回コツをつかみとれば、自転車に乗るような感覚で、どんな自転車でも乗りこなせるようになるかもしれません。

丑田 そうですね。仮に僕が東京へ戻ったとしても、五城目で築いた関係性が消滅するわけではありません。東京ではできない自給自足の部分を、五城目の田んぼへちょくちょく通って補うとか、そういう暮らし方もアリかな、と。

西村 五城目に田んぼを置いといて通うことができるとしたら、東京に何かを置いといて五城目で働くことも可能ですか。

丑田 だと思います。

西村 東京でしかできないから置いてきたものは何かあります?

丑田 会社自体、今のところ稼ぎ頭は東京ですね。メンバーはみんな東京だし、クライアントやパートナーも東京にいる。僕も月に1~2回は東京へ行くし、東京にしかないコミュニティーも当然あり、リアルで会いたい時は出かけていくわけです。Skypeだけでは限度があると思います。

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だから地域に閉じこもっているわけではなく、180度のうち15度から30度は出入りがある。風通しの良さを大切にし、外の世界と常に関われるようにしているつもりです。

「イノベーションは地方で起こる」を仮説に、五城目、そして東京で対話を重ねたプロジェクトチームとハバタクの丑田さん。フィールドワークとその振り返りからみえたことは「地域で生活することによって、自らのワークスタイルとライフスタイルをより俯瞰的にみることができる視野の獲得」だったのではないでしょうか。実際どのような活動を行っているのか、その様子はイベントレポートをご覧ください。

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