地域から起こるこれからのワークライフスタイル探求プロジェクト

海外をみたからこそ、今いる場所“京都”が輝いてみえた――京都・GO ONを訪問して(1)

2015年4月24日



海外をみたからこそ、今いる場所“京都”が輝いてみえた――京都・GO ONを訪問して(1)

「地域の特色を生かしたイノベーションを起こすワークスタイル」を探求する今回のプロジェクト。第2回のゲストは大手広告会社で、京都工芸品の伝統を海外に伝える「GO ON」プロジェクトを推進する各務(かがみ)亮さんです。各務さんはもともとアジア諸国を行き来し、文字通りグローバルに活躍されていた働き方から、現在は京都という地域(ローカル)に大きく転換し活動しています。今回はミニフィールドワークでのお話をもとに第2回のイベント前に振り返りを実施しました。そのきっかけやその思い、その背景にある仕事観を全3回で伺います。
<参加者>
各務 亮(株式会社電通 関西支社 京都営業局 プロデューサー)
高嶋 大介(富士通デザイン株式会社 チーフデザイナー)

伝統技術に新しい価値を付与し、新しいブランドをつくる

今回ミニフィールドワークを行ったのは2月9日。雪の降る冬の京都で、各務さんをはじめ「GO ON」プロジェクトのリーダー的存在である株式会社細尾の細尾真孝さんにお話を伺いに「GO ON」プロジェクトのショールームに訪問しました。

高嶋 各務さんは現在どのような活動をされているのでしょうか。

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株式会社電通 関西支社 京都営業局 プロデューサー 各務亮さん

各務 電通の京都支社に所属、現在の仕事は「GO ON(ゴオン)」というプロジェクトユニットの推進役です。伝統工芸の職人さん、その後継者の方が自分たちの技術などを使って新しいものをつくり、企業やクリエイターに提供、コラボレーションによって今までにないプロダクトをつくろうというプロジェクトです。たとえば、西陣織の技術でスーツをつくったり、茶筒づくりの技術で新しいテーブルウェアをつくったり、桶づくりの技術を椅子に応用したりと新しい試みに挑戦しています。

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明治8年に創業した開化堂の茶筒づくりの技術を応用しつくられたテーブルウエア

高嶋 京都で各務さんとお話したことを振り返ると、各務さんは地域の方々を主役にして、完全に裏方に徹している。周りの人を盛り上げ、密接に関わりながら、地域に深く入っていくことを実践されていますよね。それによって周りの人たちに変化が起きはじめている。そのあたりは意識的にそうされているのでしょうか。また、海外や東京などその他地域で働いた経験をもとにされていることはあるのでしょうか。

各務 プロジェクトは「継続的なものにならない」と意味がありません。その背景には、東南アジアの国々を回ったときの経験から学んだことがあります。京都に来る前の10年間は、いろいろな国々を回ってその時1番旬になっているプロジェクトのリーダーをやっていました。たとえば、新車を発売するタイミングで半年にわたる製品発売キャンペーンを担当して、ローンチが無事にできたら次の国に行って、またローンチに向けて動いて……と短期のプロジェクトの繰り返しでした。

「ファシリテーション」がカギ

高嶋 海外で仕事をした経験は今の仕事にどのように反映されていますか。

各務 「自分がやりすぎちゃうと続かない」「“関係者”の範囲と、その思いを大事にする」という2つを強く感じましたね、今それが活きています。前者はよくあることだと思うんですけど、よかれと思ってやっても、自分自身でやり過ぎちゃうといなくなったときにそのリレーションシップは切れてしまう。

GO ON
GO ON 公式ページ

高嶋 その時の担当の方と仲良くなったけど、担当が変更になった途端、状況が一変するということは確かにありますね。

各務 あとは、関係者の想い。僕が描いた絵、計画をただ実行していくだけというのはモチベーションが上がりませんよね。当初はそういった大失敗を繰り返しました。そこで気づいたことが、「関わる人の気持ちやモチベーションをどうデザインするか」ということ。そして、「その継続的な仕組みをどのようにつくるか」。その気づきを京都でも意識しています。

伝統工芸のプロジェクトでよくあることとして、デザイナーが主役のものが多くなりがちです。デザイナーとモノには焦点があたるんですけど、職人には当たらない。だからモチベーションが続かないと思うんですよね。

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GO ONで手がけた工芸作品が置かれるショールームの入り口

高嶋 「デザインしました」に焦点が当たってしまうんですね。

各務 なので、職人さんたちを主役にしたプロジェクトにできないかと思い、「GO ON」プロジェクトをやっています。その他のプロジェクトに関しても、思いや信念を持ってやっている人で、いま壁に直面している人に対して少しでもその壁をのぞける協力ができるか、彼らが思っていることをどう形にできるかをお手伝いする、いわゆる“ファシリテーション”こそポイントだと思いながら活動しています。

ですが、僕も目立ちたがり屋なので「なんで俺に注目が集まらないんだよ!」と思うこともありますね(笑)

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