地域から起こるこれからのワークライフスタイル探求プロジェクト

「公私混同」を仕事に変えるために必要だった「京都」――京都・GO ONを訪問して(2)

2015年4月27日



「公私混同」を仕事に変えるために必要だった「京都」――京都・GO ONを訪問して(2)

10年間の海外での勤務経験を経て、現在京都で「GO ON」としてプロジェクトユニットを組む、電通京都の各務亮さん。「自分でやり過ぎない」「“関係者”を見定めて、その人たちの思いを重要視する」という信念を持ち、京都という「地域」で独自のワークライフスタイルをつくりあげています。ミニフィールドワークの振り返り第2回は、そんな各務さんが、「京都」、そして所属する「広告会社」という枠のなかで起こそうとしている新しい価値観づくりに迫ります。

「文化を守る知恵」+「外人力」=?

高嶋 各務さんが所属されている広告会社の本業は、「広告」。広告という仕事で考えれば、極論を言えば「売れる」ということが目的ですよね。1発でかい花火をドーンと打ち上げて、話題を集められれば良いというところもあると思うんです。それと比べると、各務さんは「続ける」ことを意識されてプロジェクトをデザインされていますよね。

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各務さんとともにGO ONプロジェクトに関わる株式会社細尾 細尾真孝さん

各務 そうですね。あとは、継続すべきものを「見つける」、「再発見する」ことだと思っています。伝統工芸にしろ、時代劇にしろ、いろんな地域の持っているもの。たとえば、京都の人が当たり前だと思っているものについて、僕から見たらすごくおもしろいし、地元の人もそんなに大声でアピールはしないけど、心のなかでは実は誇りに思っているようなものやこと。それを再発見していくんです。

広告会社に所属していながら怒られてしまうかもしれませんが(笑)、いまマーケティングの世界でも、「これが普及したら世の中もっと素敵になるんじゃないかな」と思えるものが少なくなっていると感じています。売ること自体を否定するのではなく、「売るためだけではない」広告会社の役割を形にできないかという思いはあります。

高嶋 僕は各務さんのGO ONの最初のかかわり方にとても共感しました。最初は各務さん自身が伝統工芸に関わる方と仲良くなりたいからと話していらっしゃったじゃないですか。「公私混同」と言ったら言葉が悪いですが。

各務 そうですね、完全に(笑)

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高嶋 自分がやりたい、好きに、なりたいという思いをきちんと仕事に変換できるというところが凄いと思いました。さらに、ものに込められた文脈を考えた伝え方をきちんと模索されている。入り口はそれこそヨコシマですけど、伝えたいメッセージはすごくダイレクトで、そのバランスがとても素敵だと思っています。それはやはり、各務さんだからできることなのでしょうか。

各務 ラッキーだったと思います。何より恵まれていると感じているのは京都にいること。京都には伝えるべき価値のあるものがいっぱいあるんです。他の地域にもあるとは思うんですけど、京都は本当にわかりやすくあるんですよね。

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GOONショールームの内部。こだわりの作品がならぶ

各務 京都というと一見閉鎖的なイメージがありますが、「文化を守る知恵」です。いったん受けいれてもらえれば、小さなまちなので人を介して人とつながりやすい。人と人との関係性の深さと意義を大切にするのが京都らしさで、守られているものがたくさんある。

その一方、まちの人もこのままではいけないと思っているタイミングでもあったんです。振り子のような、一方に触れてはもう一方に振れるという周期を考えると、京都には「壊す」タイミングと「守る」タイミングとがあると思うんです。今はちょうど変わらなくちゃいけないタイミングで、そこに僕が偶然、直前まで海外にいた「よそもの」として入れていただいて “外人力” というか “鈍感力” を発揮させていただいた結果が今だと考えています。

京都に東京からクリエイターたちが移住する理由

高嶋 仮に海外から東京に戻ったら今のようにはいかなかったと思いますか。

各務 それはあると思います。京都は京都らしい時間の流れ方があって、それは会社という組織もしかりです。それはまちの哲学が、今所属している広告会社の京都営業局という組織に影響しているからだと思います。

また世の中の潮流として、ものの価値を再発見することに興味を持つ人が東京から京都に移り住んでいる。彼らの力をお借りしているからこそ、いろんなプロジェクトを進められているという面もあります。

東京で活躍されているデザイン事務所にしろ、デジタルエージェンシーにしろ、いろんなアーティストの方々が、ファストファッションに代表されるような「瞬間的な消費」ではなく「普遍的な価値づくり」を志向して京都に移り住んできていて、彼らに力を貸してもらうことでいろんなプロジェクトが進められている面もあります。

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