はじめまして。あしたのコミュニティーラボ編集部の川又慧です。普段はシステムインテグレーションのUX・UI・ビジュアルデザインの仕事をしています。
今回、あしたラボUNIVERSITYで利用したコミュニケーションツール「IDENQ(アイデンキュー)」の開発者として、2月中旬に行われた関東アイデアソンにも参加しました。実はこのツール、その日が社外に初お目見え。今回は制作秘話をお届けします。
このIDENQ(アイデンキュー)は、ワークショップで使用するコミュニケーションカードです。特にお気に入りのポイントは「アイデアが出たらピコーーンと振り上げる!」点です。
IDENQの表と裏のデザイン
表面には似顔絵と名前など自己紹介を書き、グループごとに分ける事も可能な8色の紐を通し、首にぶらさげて使います。人のアイコン部分には隣の人と似顔絵を描きあったり、その似顔絵を動物に例えてみたり、あだ名をつけあったりして、ちょっとしたアイスブレイクにも使うことができます。
裏面にはポップな色味で、細いほうを持ってみると……? 実は「電球」の形をしています。電球はよく、「アイデア(閃き)」に例えられます。「アイデアが目の前にぶらさがっている」意味も込め、“アイデア+電球“で「IDENQ(アイデンキュー)」と名付けました。
IDENQを首からぶら下げた様子
このツールを開発したのは、自分自身の経験がヒントになっています。ワークショップに参加した際、「アイデアは実は自分の目の前にあって、それにただ気づかないだけ」ということが往々にしてありました。加えて、ワークの多さに混乱してしまった経験もあり、いいアイデアを出すことがあまりできていませんでした。
一方で、素敵なアイデアを持っている参加者は自分の経験や目の前の事実に向き合い、それを深く解釈してアイデアを出していると感じました。そこで、それに習い目の前にある状況をよく見て、なぜこうなっているんだろう? と考えるようにしてみると、少しずつアイデアが出てくるようになりました。
そんなとき、「アイデアって目の前にあるんだな」と“ピコーーン”と閃いたのです。そんな単純なことが気づかないなんてもったいないと思い、他の参加者にも伝えられないか? さらに、アイデアの象徴「電球」をぶらさげるカードをつくったらおもしろいし、カタチもかわいい! となったのです。そこで生まれたのがこの「IDENQ」でした。
ワークで活躍するIDENQ
自分の勝手な想いを形にしたようなネームカードだったのですが、いくつかトライアルで使っていくなかで、
・どこのチームか遠目でわかるようにしたい
・もらって嬉しいデザインにしたい
などの機能・運営・デザイン的なアドバイスをもらい、今の形にブラッシュアップされました。現在は、「光るIDENQプラス(仮称)」も、富士通デザインの同僚 元良さん(成果発表会に進んだチーム「ばすっち」メンバー)と開発中です。
(左から)IDENQを一緒に開発した元良龍太郎さんと、筆者・川又
私のようにワークショップ中に思い悩む方がいたら、まずは目の前をくまなく観察しアイデアを探してみてください。アイデアは目の前にぶらさがっているはずです。そして、アイデアを見つけたら、恥ずかしがらずにこのIDENQをピコーーン! と振り上げましょう。
先日のあしたラボUNIVERSITY 関東エリア・関西エリアアイデアソンでもIDENQを使ってもらった感想をたくさんもらったのでご紹介します。ファシリテーター佐々木さんの上手な使い方で、会場も盛り上がりました。
・お互い緊張しているなかで「似顔絵を描く」というアクションで、最初から会話が弾みました。
・「青=富士通社員」、「黄色=学生」で紐の色を分けたところ見分けやすく、学生×社会人が一緒にやっている感じも出しやすくてよかった!
などのフィードバックもいただきました。
このIDENQ、以下からダウンロード可能です。ワークショップで円滑にコミュニケーションをする際のツールとして、気軽に利用してみてください。
それでは、みなさん良いアイデアワークを!
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