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あしたのコミュニティーラボ編集部のコラムをはじめ、ちょっと一息つける連載記事を更新中。
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あしたのコミュニティーラボ編集部の黒木です。私たちが企画・運営するハッカソンやアイデアソンを通じた共創活動では、「アイデアカメラ」という手法を使ってアイデア創発のきっかけをつくっています。実はこの「アイデアカメラ」、私たち富士通総研(以下FRI)が独自でつくった手法で、今多く行われている「フィールドワーク」の考え方を応用したもの。今回は、その開発経緯をご紹介します。

フィールドで得られる気づきを「写真」を通して得る

「アイデアカメラ」は、冒頭の写真のようにさまざまなシーンの写真を貼り出し、それをみて登場人物の心情や課題を想像し、その内容をふせんに書き出すことでアイデア出すためのインサイトを得ることを狙いとしています。

昨今、サービスデザイン分野では新しいユーザー体験を生み出すためのヒントを得るための手法として、現場観察やインタビューといった、いわゆる“フィールドワーク”が多く取り入れられるようになってきました。たとえば「現場観察」は、そのフィールドで活動する人々になったつもりで、気づいたことや感情を写真やメモに記録し、無意識やうまく言葉に表せないニーズを捉えることを目的にしています。

今回開発した「アイデアカメラ」は、この「現場観察」を疑似的に再現し、数枚~数十枚の写真があれば手軽に実施できるようにしたものです。

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社内ハッカソン「FUJIHACK」では3つ中2つのハッカソンでアイデアカメラを活用しました

アイデアカメラが生まれたのは、2014年に新事業創造を目的に開催した富士通の社内ハッカソン「FUJIHACK」がきっかけでした。3つあるうちのテーマの1つ、“Internet of Things(IoT)”時代の到来を見据え、新しいアイデアを創出しようと開催した「IoTハッカソン」(2日間)では、新たなユーザー体験を生み、その体験をハードウェアやソフトウェアに落とし込むのがゴールでした。いわゆる「モノづくり」ではなく「コトづくり」から考えるアプローチです。

30名が一気にたくさんのアイデアを創出するしくみとは?

約30名の参加者がいっせいにたくさんのアイデアを出すにはどうしたらよいか。プログラムの設計とファシリテーションを担った私たちがヒントにしたのは、製造業の潮流に関する、あるレポートでした。そこには、写真とそれに対する説明の吹き出しがついていました。一見何の変哲もないものでしたが、それを見た際に「写真であれば局所的かもしれないけれども、色々な土地や生活シーンを1度にみることができる。そこで登場人物の情緒面に着目すれば、ユーザー目線でのアイデアが出しやすくなるのでは……」。そんなことを思い、手法化していきました。

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アイデアカメラを行っている様子。手にふせんとペンを持って、書き出していきます

ネーミングは、スマートデバイスをかざすと現実に新たな情報を加えるAR(拡張現実)に似た感覚で、アイデアを創発につながるインサイトをたくさん生み出してほしい、そんな思いを込めて「アイデアカメラ」と命名しました。

実際、あしたラボの活動のなかでもFUJIHACKに加えて、立教大学との共創プロジェクトで活用してきました。参加者からは「いろいろなシーンがあって楽しい、多様な視点になって考えられる」、「人のコメントをみて、こんなニーズもあるのではと発想が広がった」という声をいただいています。また、あしたラボUNIVERSITYの出張授業で行った「アイデアカメラ+」は、インサイトを得るところからアイデア発想までの一連の流れをワークシート上で完結できるようにしたもの。今後も他の発想法と組み合わせることで、アイデア創出の化学反応を起こしやすくするやり方を研究・開発していく予定です。

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あしたラボUNIVERSITYの出張授業で利用したアイデアカメラ+

アイデアカメラを行う場合、参加者たちが自ら対象フィールドに赴き、撮影した写真を集めることが望ましいですが、そのワークショップのテーマにあったものであれば実施可能です。アイデア創発に向けたインサイトを得たい時にぜひ使ってみてください。


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