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こんにちは、あしたのコミュニティーラボ編集部の今村です。編集部員の傍ら、エンジニアとして、産学連携等で生まれた新技術を使ったビジネス創出にも取り組んでいます。

地方で働き、暮らす人々が不便に感じていることのなかに、なにかICTの力で解決できるものはないだろうか、そのヒントを探るべく、7月に行われた「アクティブワーキング@日南」、そして9月の「あしたラボ×HAB-YU 首長イベント日南市編」、これら、あしたラボと日南市との新しいチャレンジに参加してきました。

「アクティブワーキング@日南」

アクティブワーキングは、日常業務を行いながら実際に日南市に滞在して、地域の魅力や課題を発見するプログラムです。毎日3~6種類のオプショナルツアーが設定されていて、農林業・行政・サービス業など、地元のさまざまな産業に携わる人々との対話の機会が与えられます。

地方都市では首都圏ほどICTが普及していないのでは、というイメージがあったのですが、実際に訪れてみると、一次産業の現場では担当業務をスマートデバイスで説明してくださったり、教育現場では全校に電子教科書が導入されていたり、すでに人々の仕事や生活にICTが深く入り込んでいました。

そんな日南市でエンジニアの自分がやるべきことは、技術でサポートできることを探すことではなく、いまあるICTをさらに活用して、地元の人々がより快適に働き、暮らすためのアイデアを考えることなのだと気づきました。しかしそれは、都会の人々に向けたICTの活用方法を考えるのと何が違うのだろう、わざわざ地方に足を運ばなくても、「みんなにとって便利なこと」を考えればそれでいいのではないか、そんなことを思い始めていた自分に、新たな気づきを与えてくれたのが、地元の方々と一緒に食事をつくり、食べながら、さまざまな会話を交わした「パエリアパーティー」の場です。

多くの地元の方々と話すうち、webではなく紙のチラシ、メールではなく電話、そんなアナログで手間のかかる方法を続けている人も多いことを知りました。理由は「そのほうが速くて確実だから」といいます。地域の風土や暮らす人々の気質によって「便利だけれど使わない」選択もあるということ、これは貴重な発見でした。

こうした、実際にその地域に暮らす人々の生の声を聞くことで得られる気づき、その気づきがなければ、その地域にとって本当に役に立つモノやサービスを考えることはできないのではないでしょうか。

「首長イベント 日南市編」

9月15日には、アクティブワーキングとは逆に、日南市から﨑田市長と、市政に携わる方々を東京に招いてのイベントが開催されました。市長から地域の魅力と課題を語っていただいたのち、参加者(都市生活者)との対話を行い、参加者全員で日南市の課題について考えました。会場は熱気にあふれ、日南市のもつ魅力を存分に活かして、さらに元気な自治体にするための多くのアイデアが生み出されました。

アクティブワーキングを通じて、日南市と自分との関わりを考えていたときの、自分の立ち位置は「都会の企業人」でした。しかし、このイベントでは「自分が日南市で暮らすとしたら」という前提に立ち、より地元の当事者に近い立場で考えることが必要でした。日南市では、きっとこんな不便があるんじゃないか、こんなことはできないだろう、といった不安を解消するためには何が必要なのか、イベント参加者同士で語り合い、考え出した解決策の中には、そこにICTを活用できたらもっと良くなるかもしれない、と思わせられるものも多くありました。

都会の企業人として地方の現実に触れる「アクティブワーキング」、地方で暮らすとしたら、という想像の中で理想の姿を描く「首長イベント」、この2つのイベントを通じて、さまざまな角度から日南市という地域を見つめ、より深く理解することができました。また同時に、その地域で暮らす人々の課題を知り、解決するために必要な、多くの視点を学ぶことができました。

「アクティブワーキング@日南」を通じて出会った、日南市の人々は、みなさん笑顔で元気な方ばかりでした。そんな活気に満ちた地方でも、「首長イベント日南市編」で﨑田市長が訴えたように、人口減少や雇用創出など課題を抱えているのが現実です。ICTの力で、地方が元気になるお手伝いをしたい、そんな思いをもって今回の一連の取り組みに参加しましたが、日南市の人々は、不便さを楽しむことにも慣れており、ICTで便利になることが、地元の人々にとって必ずしも魅力的ではないことを知りました。一方で、都会の人々が、日南市で働きたい、暮らしたいと思うようになるために、ICTの力で、日南市の魅力をもっと引き出すことができるかもしれない、そんな可能性も感じました。一連の取り組みへの参加を通じて、自分自身で発見した、日南市が抱える課題や潜在ニーズに対して、自分たちがもっている技術や情報を活用して解決する方法を「日南市に合ったやり方で」考え、今後、提案していきたいと思っています。

あしたのコミュニティーラボ編集部にとって、今回の取り組みは、地方でのフィールドワークと都会でのイベントを組合せることで何が起きるのか、実験的なチャレンジでした。「日本の前例は日南市が創る」と語る﨑田市長がパートナーになってくれたおかげで、この企画が実現でき、関わった人々それぞれに新しい気づきをもたらすことができました。
あしたのコミュニティーラボでは、これからの日南市の取り組みや、アクティブワーキングの新たな展開など、続けて追いかけていきます。

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