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こんにちは、あしたのコミュニティーラボ編集部の浜田です。2015年4月から7月にかけ実施した「神戸大学の学生と社会人による共創プロジェクト」をきっかけに、有志メンバーが、11月に開催された「神戸ITフェスティバル」へのブース出展にチャレンジしました。IT技術がそろう展示会へなぜ出展したのか、そして体験から得られたものは何だったのか、運営メンバーの視点からレポートしたいと思います。

きっかけは「アイデアをその先へつなげたい」という思い

2015年11月、「あしたラボUNIVERSITY 神戸大学と社会人による共創プロジェクト」の有志メンバーが「神戸ITフェスティバル(以下、神戸ITフェス)*』にブース出展しました。

* 神戸ITフェスティバルとは
地域の企業やサービスと、優秀な技術者・クリエイターとアイデアをかわすタイミングが少ないため、価値を生みづらくなっているという課題意識から2010年にスタートした神戸最大級のITフェスティバル兼展示会。ITという「道具」を切り口に、セミナーやブース展示、参加型イベントといったコンテンツを通じ、課題の解決や地域の未来を考える機会を提供している。

「神戸の街にソーシャルインパクトを与えるサービスを考える」というテーマのもと、4月23日のキックオフから学生と社会人が一緒になってアイデアを磨きあげてきたこのプロジェクトは、当初2015年前期の授業期間内(4月~7月)のみで完結する予定でした。

スケジュール

しかし、今回はさらに約3カ月活動を継続。そこには、あしたラボUNIVERSITYなど多数のアイデアソンやイベントに関わるなかで感じてきた、「創発したアイデアをその先のステップにつなげるきっかけがない」という課題意識がありました。

そこで、11月の「神戸ITフェス」を1つのゴールに、あらためてアイデアを練り直し、市場にその価値を問うてみようというアプローチを採用し、プロジェクトを前に進めることにしました。

Road to 神戸ITフェスティバル

思いに賛同してくれた有志メンバー(神戸大学の学生8名+富士通システムズ・ウエスト社員2名)とともにプロジェクト「Road to 神戸ITフェスティバル」がスタートしました。

しかし、学生と社会人が共創しプロトタイプをつくって展示会に出展するというプロセスは全員が未経験。また、製品・サービスとして完成形ではない、コンセプト・プロトタイプ段階の出展は運営メンバーにとってもチャレンジングな取り組みでした。

そこで、まず着手したのが「目的の共有」です。

企業におけるIT展示会の活用目的は、情報収集やサービス・商品の販売促進が一般的ですが、私たちの目的は“アイデアに対する市場の受容性を測り、フィードバックを得ること”と設定しました。

そのためには、「ユーザーである来場者にどんな体験をしてもらう必要があるか」「アイデアへの思いや解決できる課題をどう伝えるか」などをあらためて検討しなければなりません。各々チームに分かれ、アイデアのコンセプト見直しやプロトタイプの作成、アンケート設計などを進めていきました。

KOBE QUESTKOBE QUEST

そのなかでも、特に力をかけたのがプロトタイプの作成です。出展メンバーの1人、神戸大学の今村駿太さんは、「神戸のまちの魅力が観光客に伝わってないのでは?」という疑問からスタートしたアイデアを煮詰めていきました。目的地に到着するだけでなくその過程を楽しんでもらい、神戸のまちの偶然の発見を促すアプリ「KOBE QUEST」を作成。会場では第一印象でほぼすべての方に「見てよかった」「おもしろかった」との反応があり、またアンケートでも「いろいろなイベントに利用できると思う」「ぶらり旅に使いたい」などの意見が寄せられ、本人も手応えを感じているようでした。

今村駿太さんKOBE QUESTの開発者、今村駿太さん(右)

BE VOYAGER~アイデアの船出~

11月6日~7日の神戸ITフェス当日には、約2,000名が来場。技術者だけでなく幅広い年代の人たちが楽しめる展示、プログラムが揃っていました。

神戸ITフェス神戸ITフェス 当日の様子。ものづくりやまちづくりなど、
さまざまなテーマが入り交じったおもしろさがありました

私たちは、港町神戸でアイデアを船出させていくという思いを込め「BE VOYAGER」をテーマにブースを出展。最終的に、来場者約200名に対してアイデアを説明・体験してもらい、フィードバックを得ました。

共創プロジェクトブース共創プロジェクトブース

アイデアを増幅させるための「展示会」という存在

今回の共創プロジェクトパートナー、神戸大学・藤井信忠准教授は「フィードバックをもらうことで、社会的ニーズを実感するだけでなく、その先に拡がる無限の可能性を感じられた。大学での授業が社会とつながるキッカケとなり、起業などさらに羽ばたく人が出てきてほしい」と、期待を話します。

社会人メンバー、富士通システムズ・ウエストの梶川さんは「企業では新しいサービスを考える際、検討を進めるうちにアイデアが歪んだり、平凡になってしまうことがありますが、学生のみなさんはビジネスの枠にはまり過ぎない斬新なアイデアを提案してくれる。今回のように学生・社会人という立場を越えた共創は非常に価値があると思う」と今回の活動を振り返りました。

アイデアを頭で考えるだけでなく、具現化し、そして荒削りでも世に出す。シンプルですが、そこに至るまでには「本当に喜ばれるものなのか」「どんな課題を解決できるのか」「どう伝えるか」をじっくりと考え、自分に足りないスキルを習得したり、人から学んだり、思いを持って人を巻き込んでいく必要があります。私たちは今回の活動を経て、そのプロセス自体に価値があると実感しました。

また、アイデア創発の次のステップへ進む方法の1つとして、今回の神戸ITフェスのように思いを持った人たちが集う展示会への出展という目標を定めることは、アイデアに対する思いを継続・増幅させるためにも有益であると感じました。

今回のプロジェクトにとって神戸ITフェスの出展はまだまだ道半ば。今回の出展を経て生まれたコラボレーションの種を育て、社会実装に向け引き続き活動していきたいと思います。

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神戸ITフェスティバル
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