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あしたのコミュニティーラボ編集部の今村です。今回、ソーシャルイシューカンファレンス「R-SIC2015」にはじめて参加しました。さまざまなジャンルの社会課題の現場を知りたいと思ったことと、その解決に事業として取り組み、成果をあげている人々と出会いたいと思ったのが参加動機でした。

これまで、個人として社会課題のいくつかに関心はあるが休日にボランティア活動をする程度で、自分自身があるいは自社が、ソーシャルビジネスを実践する姿を具体的にはイメージできませんでした。今回は、そんなまだ駆け出しの状態から見た「ソーシャルカンファレンス」参加の意義について、お伝えしたいと思います。

他人ゴトが自分ゴトになったスタディツアー

R-SICの1日目は、社会問題の現場へ足を運び、自らが考え語るスタディツアーでした。ツアーでは、つくばにある2軒の農業法人を訪問しました。1軒目は、「持続可能な農業」「生産の最適化」「人がかかわる農業」をテーマに活動する「合同会社フロンティアファーム」。2軒目は障がい者支援・雇用の手段として農業を選択し、「障がい者の働きやすい農場」を実践する「NPO法人つくばアグリチャレンジ」。どちらも新規就農者で、「農業だけでの収益化は難しい」という課題認識をもち、農作物の生産だけでなく、農業体験やコミュニティスペース運営などの事業も行っています。

R-SIC冒頭で発表されたスタディツアーの内容
R-SIC冒頭で発表されたスタディツアーの内容

農業の現場で働く方と会話するなかで浮かんできたのは「ビジネスとしての農業」の課題。「はじめる」「続ける」「拡げる」それぞれのプロセスに高い壁があり、社会制度や人々の意識を変えないと解決できない複雑な課題だと知りました。

ディスカッションタイムにメンバー同士で対話しながら、農業が抱える課題の構造を整理し、原因の探求や解決策を考えることに知恵を絞るなかで、それぞれが農業というテーマの枠を超えた新しい気づきも得ていました。

自分のビジネスが抱えている課題と農業の課題は構造が似ていることに気づいたメンバーもいれば、自分のビジネスが農業の課題解決の一助になるのではないか、とヒントを得たメンバーもいました。つくばアグリチャレンジのビジネスモデルは他の産業でも応用できるのでは、という話題はグループ内で大いに盛り上がりました。

数時間前に出会ったばかりの、もともと農業にそれほど関心があったとはいえないメンバーたちと「日本の農業をより良くしたい!」と熱く語り合いながら、社会課題と自社のビジネスを結びつけるためのヒントを見つけることができました。

メディアで情報に触れるだけでは、ある程度、関心や理解を深めることはできても、自ら行動を起こすほどの共感はなかなか得られません。しかしスタディツアーのように実際の現場を体験し、当事者から直接話を聞く機会をつくることで、そこで目の当たりにした課題が「自分で解決したい」自分ゴトに変わります。一見、自分たちのビジネスと関連しなさそうな社会課題の分野でも、その課題をふだんの業務や生活と結びつけて考える視点を得ることができるのです。

スタディツアーで自分ゴトになった課題や、解決へのアプローチの方法は異なるものの、同じ現場を体験したメンバーとは、「農業」に関連した課題解決に向かう“仲間”になることができました。

背中を後押ししてくれる、大きな学び

今回のスタディツアーでの学びは大きく2つありました。

1つ目は「仲間の引き込み方」。本来は接点や関心のないテーマでも、実際の現場に触れて当事者の生の声を聞くことで、個人の意識が変わり、深く関心を寄せるようになるということ。

2つ目は、「行き詰まったときの風穴の開け方」。同じ体験をした仲間と対話することで、多くのユニークなアイデアや、ビジネスの可能性を探る視点を得られるということです。

スタディツアーでの経験と学び、そしてツアーを通じて出会った人々とのネットワークを活かして、自分自身でもソーシャルビジネスの実践に向けた一歩を踏み出してみよう、そんな思いを抱くイベントとなりました。

<関連リンク>
ソーシャルビジネスは現場体験からはじまる──リディラバ「R-SIC2015」潜入(前編)
社会課題をもっと身近なものにするために──リディラバ「R-SIC2015」潜入(後編)


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