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あしたのコミュニティーラボ編集部のコラムをはじめ、ちょっと一息つける連載記事を更新中。
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こんにちは、あしたラボ編集部の高嶋です。これまであしたラボでも紹介してきた、横浜の地域課題を地域住民と解決する「よこまなプロジェクト」や、都市と地域を結び、新たなイノベーションを起こす種を見つける「地域から起こるこれからのワークライフスタイル探求プロジェクト」を実施してきました。

そして、2016年1月20日から港区と富士通デザインが共同し、新たなプロジェクトを立ち上げました。プロジェクト名は、通称「ミナヨク」(「麻布で“地域のちから”活性化事業」)です。

「ミナヨク」というプロジェクト名には、“みんなでまちをよくしていきたい“という思いを込めました。港区麻布地区総合支所と連携し、同じく港区にあるHAB-YU platformを拠点にして、次世代のまちの担い手を育成することを目的に、地域を知り・地域に関わる心を醸成していく、デザインするプロジェクトです。

参加者は主に20代から40代の地域の港区を中心に都市圏で暮らす方々。一般募集で30名もの方々にエントリーいただき、2016年1月から第1期の活動がスタートしました。

このプロジェクトのテーマは、近年ますます希薄になる「都市のご近所づきあい」。干渉し合う近所づきあいからは離れたいという住民がいる一方で、有事の際や、それ以外の日常生活でも近所の方とコミュケーションを取りたいと思う方もおり、さまざまな思いをどうデザインできるかということを大きなテーマとして、当事者で考えてみようという取り組みです。

第1期の全6回のプログラムでは「麻布地域の課題解決」をテーマに、フィールドワークを実施。気づきからグループメンバーとのアイデア出しを行い、発表を行いました。
ミナヨクプロジェクト
※各回の詳しい取り組みは港区ホームページから

若者がまちに溶け込むための仕掛けとは?──港区のチャレンジ

ミナヨクのプロジェクトオーナーとなった港区麻布地区総合支所 協働推進課は、地域住民と一緒にまちのことを考え、よりよくするための活動を行う部署。近年、麻布地域の方から「お祭りをやっても神輿の担ぎ手がいない」、「町会・自治会の活動に若者の力が不足している」という相談を何度か受けていたこともあり、地域の方と地域で活動したい若者をつないでみることで都市のご近所づきあい問題解決の方法を探りたいと、このプロジェクトが発足しました。

解決への起点は「若者がどうやったら地域に溶け込んでいけるかということ」と、港区麻布地区総合支所 協働推進課・須川竜作さんは話します。
須川さんによる第6回プログラム開会の挨拶(アークヒルズマルシェにて)
須川さんによる第6回プログラム開会の挨拶(アークヒルズマルシェにて)

「私たちは地域と若者をつなぐ役割として、関わる人が義務感ではなく、ゆるく長くつながる場をつくることを心がけています」と語る須川さん。ポイントは、お祭りのサポートや神輿の担ぎ手などといった、“地域の楽しいところから関わってもらうこと”だと言います。地域の防犯パトロールや清掃活動という住民としてやらなくてはならないこともありますが、まず若者に関わってもらい、地域になじんでもらうことが重要と考えています。

麻布地区にはプログラムにも参加してくれた麻布十番青年会が企画するイベントや「麻布十番ファンクラブ」といった地域外の人も地域の活動に参加できる機会があり、その門戸は開かれているため、そこに人をどう連れてくるかがカギになります。

まちを知りたくて飛び込んでみた──西村拓也さんの場合

では今回、参加者のみなさんはどんな理由でこの活動に参加し、どんな成果を得たのでしょうか。

参加者の1人、汐留のIT系企業に勤める西村拓也さんの参加理由は、港区に勤務しており、もっと港区というまちを知ってみたいという思いから。「今回のような、区役所が主体で行うまちづくりの企画をはじめて聞いたので、おもしろいなと思い参加しました」と話します。
西村さんはフィールドワークに自転車で参加した(写真左)
西村さんはフィールドワークに自転車で参加した(写真左)

西村さんは今回活動に参加して驚いたことがあるそう。それは、港区麻布という地域。オシャレで都会的というイメージしかなかったそうですが、実際フィールドワークに行ってみると、木工屋の職人さんが家の扉を全開にして作業をしていたり、古い民家や寺院があったりと、これまでのイメージに加え、都会にも文化を感じられるモノ・コトがあることを発見できたと話します。
西村さんの最終発表の様子(写真左)
西村さんの最終発表の様子(写真左)

「港区で1日の半分以上を過ごしていたのに、ここがどんな“地域”なのかを意識して過ごせていなかった」と言う西村さんは、実は、将来都内で人のつながりを生むコミュニティーを運営したいという夢を持っています。最終発表では、そんな将来も見据え、地域がつながり合えるしくみ「みんなのおもしろい!があるまち」というアイデアを提案し、自身のアイデアを交えたコミュニティーづくりの第一歩を踏み出しました。

まちづくりって、個人が関われるもの?―中嶋恵さんの場合

もともと麻布地区に住んでいる中嶋恵さんは、青年会の方々のFacebookの投稿でこの活動を知り応募しました。

「最初は何をやるのだろう? くらいの軽い気持ちで参加したのですが、自分の住む地域をテーマにグループでアイデアを出しあい、形にすることは楽しく、達成感がありました」

「まちに友だちがいっぱいいれば、楽しく安心に暮らすことができる」とコミュニティーの大切さを感じる中嶋さんは、今回の活動を通じたもっとも大きな財産は人脈が広がったことと話します。今回、はじめてまちづくりの企画に携わったそうですが、今後も情報共有しながらまちのために活動していきたいとこれからの意気込みを話していました。
最終プレゼン発表の様子(中嶋さんは写真左)
最終プレゼン発表の様子(中嶋さんは写真左)

私が第1期の活動を通して参加者に気づいてほしかったのは、「自身が持つ、地域を変える力」。地域の小さなことに気づき、それに対してのアクションを起こすための力を感じてほしいと考えていました。実際、プロジェクトが進むにつれて参加者の顔や行動の様子から変化が起きていると感じました。

それは、今回の成果として、考えられたアイデアの1つを自分たちで試めそうとしているメンバーが出てきたことが1つの実績だと考えています。
0707_minayoku_06 筆者。ワークショップ設計などを行いました
小さなところでは、今回、中嶋さんのように積極的にグループメンバーで商店街に遊びに行ったり、ゲストのお店で食事をしたりと、多くのグループがプログラムの外でも交流を深め、地域について話していたこと。参加者、ゲスト、運営者、関係者がその役割を超え、地域のなかで楽しむ姿が多く見られたのが印象的でした。

さらに、31人の参加者のなかから5名も自主的に地域に関わる活動をはじめたことも今後の活動の後押しになるでしょう。個人の思いが少しずつ地域を変える活動につながっているのだと思います。今後もコミュニティーの輪をつなげ、“みんなでまちをよくする”活動は続きます。

第2期は、もっと大きなうねりを生むことのできる活動にできればと考えています。興味を持った方は、ぜひ一緒に活動しましょう。

ミナヨク 2期メンバー募集
ミナヨクHP


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