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桜のフォトコンテストで地域活性を応援する ──「桜」でつなぐ、シニアコミュニティーの可能性(前編)

2015年05月01日



桜のフォトコンテストで地域活性を応援する ──「桜」でつなぐ、シニアコミュニティーの可能性(前編) | あしたのコミュニティーラボ
東北6県に桜の札所88か所を設定し、観光振興を起点に交流人口の増加を図る産官民の共創プロジェクト「東北・夢の桜街道」。あしたラボではさくらハッカソンやFacebookグループ「みんなで巡る・桜の札所」を通じて応援してきたが、2年目の取り組みの1つとして、富士通のSNS「らくらくコミュニティ」にて桜のフォトコンテストを開催中だ。シニア最大コミュニティーでの展開を通じて、どんなねらいを掲げているのか。今回は、東北支援の取り組みとともに、ICTを活用したシニアコミュニティーの可能性を全2回で探る。(トップ画像:Thinkstock / Getty Images)

シニアSNSが社会課題解決のヒントになる? ──「桜」でつなぐ、シニアコミュニティーの可能性(後編)

春は桜! フォトコンテストを通じた地域活性チャレンジ

「早咲きの桜が咲いています」「こちらではやっと花芽が出てきました」「娘の家に行くのに桜並木を通ります」「三春滝桜すばらしいですね、見に行きたいと思います」。桜前線の北上とともに、桜便りのリレーが繰り広げられている。

国内最大のシニア世代のためのSNS「らくらくコミュニティ」。累計ユーザー数25万人を誇るこのコミュニティーで、3月17日からスタートしたのが「桜フォトコンテスト」だ。全国の桜、おすすめの桜を写真で投稿し、ユーザー同士が自慢の桜を介して交流する。日本人が愛してやまない桜をテーマに、フォトコンテストという形で桜を楽しみながら東北への想いを共有していく約2カ月間にわたる試みだ(応募期間:3月17日~5月21日)。

シニアたちの反応は上々で、これまでに1万件近い投稿・コメントなどが集まっている、と「らくらくコミュニティ」を運営する富士通のユビキタスビジネス戦略本部、中川和男さんは話す。

「近所の桜でも旅行で撮った桜でも、どこの桜でもOKです。日本全国に桜の名所がありますからね。あと、みなさんの投稿に加えて、〈東北・夢の桜街道〉の88カ所の桜や周辺の食の逸品、復興への取り組みなどの情報をピックアップして紹介しています。オンラインでもオフラインでも東北への想いを馳せて、足を運んでいただくきっかけになればうれしいです」
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富士通株式会社 ユビキタスビジネス戦略本部 コンシューマビジネス統括部 中川和男さん

あしたラボを運営する富士通では、「東北・夢の桜街道」と連携して、2014年から東北を応援する取り組みを続けてきた。「桜をきっかけに東北を訪れる人を増やすアイデアとサービスづくり」をテーマとした「さくらハッカソン」や、東北の桜旅の魅力を発信・共有するFacebookグループ「みんなで巡る・桜の札所」などは、その1例だ。そして、2年目となる今年、「らくらくコミュニティ」内で「桜フォトコンテスト」がはじまった。

フォトコンテストが「東北・夢の桜街道」応援につながる理由

「東北・夢の桜街道」は、東北6県に桜の札所88か所を設定し、観光振興を起点に交流人口の増加を図る産官民による共創プロジェクト。

今年は、震災直後には訪れるのが困難だった沿岸部や被災地の声を反映して、番外編として20か所の札所も新たに追加されている。東北の市町村や環境づくり団体などと連携し、生態系に配慮しつつ環境活動にも取り組んでおり、先月は福島県いわき市の復興住宅で桜の植樹を行った。この活動を一過性にせず、継続的に地域づくりを行っていくには、次代を担う子どもたちの郷土愛を育み地域文化を継承することが重要になる、と教育文化活動にも積極的。地元小学校と信金グループが協働で行う桜の絵画コンクールは、今年も開催される。
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東北・夢の桜街道 TOPページ

震災後、東北地方では直接的な被害だけでなく、風評により被災の有無にかかわらず地域全体が影響を受けた。そんな地方全体の面的再生を目指すには、地域の自然資源・コモンズ(公共財)である桜の魅力と、地域が持つストーリーを多くの人に感じてもらい、東北に足を運んでもらうことが必要になる。観光需要拡大にも寄与すべく海外からのインバウンド旅行者にも力を入れているほか、観光振興を広げるうえでの呼び水となる国内シニア層を重要なターゲットと位置づけ、彼らに地域の魅力・ストーリーをどう届けるかが、カギになっていた。

らくらくコミュニティは、「らくらくスマートフォンシリーズ」のユーザーを中心に、多数のアクティブユーザーが参加していることに強みがあった。

そのうえ、2014年には家族専用の「ファミリーページ」が追加されていた。離れて暮らす親子が簡単に写真やメッセージを共有でき、日常の生活において家族をつなげる新たなコミュニケーションの場だ。孫のかわいい写真などが離れて住む家族から送られるとトップ画面に自動表示され、家族の様子を知ることで、家族を日々ゆるやかにつなげる。

ファミリーページの機能を使えば、桜のフォトコンテストに投稿された写真を、ユーザーが子どもや孫と共有することができる。シニアコミュニティーを軸に、「1本の桜」を通じたコミュニケーションがユーザーの家族をも巻き込み、広がっていく。25万人のシニアユーザーを起点に、新たなきっかけをもたらす可能性を秘めているのだ。

今回のフォトコンテストでは、写真家の林義勝さんを審査員に、大賞・優秀賞・佳作が選ばれる。「周りの景観をうまく使って表現した写真に期待している」と中川さん。注目すべきはその募集対象で、東北に限らず日本全国に広がった。住まいの近くの桜をきっかけにこのコンテストに参加し、東北の桜の名所を知り、家族とともに現地に足を運ぶ──そんな行動を促すこのプログラムにかかる期待は大きい。

桜を通じた地域活性を、コミュニティー機能を活かしてサポートする「らくらくコミュニティ」。今回のフォトコンテストも盛況を見せているということだが、ではなぜ25万人ものユーザーにアクティブに活用してもらえているのだろうか。また、その活用法のヒントとは。後編では、シニア活性を促す「コミュニティー」と「コンテンツ」の秘密に迫り、シニアコミュニティーが持つ未来への可能性を考える。
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らくらくコミュニティでは、東北・夢の桜街道とのコラボレーション企画として3月17日から「桜」をテーマとしたフォトコンテストを開催中です。詳細はこちらから

シニアSNSが社会課題解決のヒントになる? ──「桜」でつなぐ、シニアコミュニティーの可能性(後編)


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