Discussions
あしたラボのイベントとその様子をご紹介します。

社会人の“これからの学び”を最新潮流から考える ──イベントレポート(3)

2015年05月21日



社会人の“これからの学び”を最新潮流から考える ──イベントレポート(3) | あしたのコミュニティーラボ
社会人が環境の変化に対応するための学びのあり方を考える今回のイベント。学びのプロフェッショナルによるプレゼンテーションから最新の学びの潮流を追った前半に続き、後半では自らの学びを問い直し、これからの学びについて登壇者と参加者全員で考えていきます。

社会人の“これからの学び”を最新潮流から考える ──イベントレポート(1)
社会人の“これからの学び”を最新潮流から考える ──イベントレポート(2)

日常の経験を「学び」に変換する

4人のプレゼンテーションのあとは、会場の参加者を交えたワークとトークセッションの時間です。モデレーターの重田さんがイベント冒頭で説明した通り、「何かの経験から知識を得て、その教訓を糧に成長していくこと」が経験学習のプロセス。ふだんの経験から何を学んだのか、参加者の実践や体験をもとに意見を共有し、あらためて自らの学びを振り返ることで学びを深めます。

まず、重田さんが参加者へ3つの問いを提示します。

Q1.「あなた自身の仕事や生活の経験から学んだ知恵」
Q2.「それによって成長したと思えたこと」
Q3.「登壇者への質問」

参加者は色別のポストイットにそれぞれの回答を記入。その後、3〜4人のグループを組み、お互いに回答を共有しながら、イーゼルパッド上で回答を整理していきます。全員の回答が出揃ったところで回答を会場前方の黒板に貼り出し、それをもとにしてトークセッションが展開されました。

manabi_event3-1
グループ内で回答を共有しながら整理していく

まずは登壇者が会場から寄せられた質問に答えました。参加者からの質問で特に会場が盛り上がったのは、「子どもから“何のために勉強するの?”と問われたら何と答えますか」というもの。誰もが一度は考えるであろうこの質問に対し、4者4様の答えが返ってきました。

重田さんは「人生の選択肢を増やすため」、高橋さんは「集中して物事に取り組むなど、将来の学びに役立つスキルを身につけるため」と回答。安部さんはネガティブな人に対しては「生きるため」、ポジティブな人に対しては「真理を追究するため」と言うそうです。社会問題を直視し、年齢や職種を超え、あらゆる人を巻き込む活動をしている安部さんならでは解答と言えるでしょう。

また、日々生徒たちと接している大辻さんは次のように語ります。

「『何のために勉強するの?』と聞いてくるのは、たいてい勉強をしたくない子。だから『勉強ができるようになったらわかるよ』と釘を刺したうえで「本当に知りたかったら、テストで80点以上取ってから来なさい。そしたら話してあげる、と言っています(笑)」

manabi_event3-2

また、「先人の知恵を学んでおけば楽」ということも伝えているそう。ゼロから考えるのは大変だけれど、先人が積み重ねてきた知恵を学べば楽にスタートできるのだから、学ばない手はないと伝えるそうです。

日々の業務を通じて社会人が学ぶものとは

次は、残った2つのポストイット「Q1:仕事や生活の経験から学んだ知恵」と「Q2:それによって成長したと思えること」を共有し、みなさんが普段の経験から何を学んでいるのかを探ります。回答が書かれたポストイットが壇上に貼り出され、モデレーターの重田さんがグループごとに数名分の回答をピックアップ。回答者にインタビューしながら学びのキーワードを抽出していきました。

manabi_event3-3
参加者が挙げた回答の一部(上がQ1、下がQ2)

そのほかにも「人とのつながり」「他人の意外な行動からの気づき」といったキーワードが挙がりました。あらゆる年齢と職種の方々が集まった今回のイベント。学びのプロセスが自らの経験を糧にした成長に組み込まれているという事実から、各々の仕事や生活を通じて得られた「学び」をあらためて振り返ることで、学びの役割ととその意義を再確認しました。仕事や日常生活に活かされる気づきはそれぞれ見つかったでしょうか。

参加者の回答を通じて見出した “学びに必要なこと”を各登壇者の立場ごとにまず簡潔にまとめると、

「学びを高めるための手法と環境」(重田さん)
「学びの欲の発生場」(高橋さん)
「自己評価と目標の立て方」(安部さん)
「進化を続けるための環境」(大辻さん)

となりました。

高橋さんは「学びは個人的なところで起こっている」とあらためて感じたそうです。重田さんは「個人の経験や学びを共有し、考えあう場も必要」といい、自己完結せずに他者と関わり、自分を高めていくことが大切だと説きます。

それに対し、安部さんは「学びと自己満足は表裏一体」とひとこと。自己満足で終わらせないためには「先人の成し遂げた高い基準」を目標にするべきだとし、「絶対成功するという覚悟があって人間は本気を出す」という起業家精神を感じられる回答でした。

大辻さんは前へ進むには自分を変えることが大切で「そのきっかけは環境を変えること」であると語り、海士町という特殊な環境下に自ら移住し、地域を巻き込んだ学びのしくみをつくり、実践する者としての知見を活かした回答となりました。

manabi_event3-4

最後に登壇者4人が「これからの学びに必要なこと」をひとことずつ語り、イベントを締めくくりました。

「参加者の回答から“社会人にとって学びやすい環境づくり”の大切さを感じました。そのためにはICTによるオープンな環境や、多様な価値観をもつ人たち同士の関わりが不可欠です」(重田さん)

「何を学ぶかを見つける。学ぶ意欲をどう維持するか。そうした“学び方を学ぶ”メタ的なアプローチが重要になってきます」(高橋さん)

「オープンな学び合いができるのは高度なレベル。そこへ到達するには、当事者意識をもって学ぶ姿勢が前提として欠かせません」(安部さん)

「変化を求めるがゆえのコア・コンピタンスが大切。“自分を20文字で表すとしたらなんというか?”と常に意識することで、どんなに環境が変化しようと自分の軸をぶらさずにモチベーションを維持できるはずです」(大辻さん)

学びを実践する上でのツールや手法は多様化しています。いかなる環境下でも大切なのは「自分がどうありたいか」という軸を持つことなのではないでしょうか。

今回のイベントでは、登壇者の学びに関する研究や実践から、参加者はさまざまな刺激を受けたことでしょう。また、1人ひとり自分の学びを振り返るきっかけになったと同時に、他人がどんな学び方をしているのか知る機会にもなったはずです。「学ぶことを“学ぶ場”」として、密度の濃い2時間40分でした。

社会人の“これからの学び”を最新潮流から考える ──イベントレポート(1)
社会人の“これからの学び”を最新潮流から考える ──イベントレポート(2)


いいね!を押して
Facebookページをフォロー

あしたラボの最新情報をお届けします。

Twitterであしたラボ(@ashita_lab)をフォローしよう!

皆さんの感想をお聞かせください!





  • facebook
  •  twitter
  • RSS

Copyright 2018 あしたのコミュニティーラボ