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ソーシャルデザインのポイントは“Friendly&Fun” ──氷見市×issue+design×富士通デザイン(後編)

2015年07月14日



ソーシャルデザインのポイントは“Friendly&Fun” ──氷見市×issue+design×富士通デザイン(後編) | あしたのコミュニティーラボ
“名産”“有名観光地”だけを楽しむ関係性に終わらせず、地域とそのステークホルダーたちが継続的な関係をつくる──。「ソーシャルデザイン」という考え方を根づかせ広めるには、どのような要素が必要なのでしょうか。漁業のまちとして有名な富山県氷見市が、都心のビジネスマンのアイデアにヒントを得、新しい氷見ブランドを模索する今回のイベント。後編は全国各地でソーシャルデザイン活動を推進してきたissue+design筧裕介さんのソーシャルデザインのヒントからスタートします。

氷見からはじめる “ソーシャルデザイン”入門 ──氷見市×issue+design×富士通デザイン(前編)

支持され続ける、強いブランドづくり

筧さんは2008年から神戸をベースに活動、ソーシャルデザインの方法で地域課題を解決するクリエイティブチーム issue+designを展開しています。ここでいうデザインとは、出版物やプロダクトといった狭義の“デザイン”ではなく、みなが参加したくなる「楽しさ」や「美しさ」などの共感を喚起し、それが結果的に社会課題の解決につながる行為全般のことを指します。
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自分ができることを宣言するツール「できますゼッケン」(提供:issue+design)

たとえば、阪神淡路大震災を契機に生まれた、避難所暮らしの助け合いを促進するIDカード「できますゼッケン」や、地域の魅力的な人を伝えるガイドブック「COMMUNITY TRAVEL GUIDE」などを世に送り出しました。

「最初に選びたくなる」「他と違うと感じる」「少し高くても買ってしまう」「利用することを誇りに思う」──。こうした感情を呼び起こし、誰もが同じようなイメージを共有できて、数多く長く売れる。それが強いブランドです。
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ソーシャルデザイン 5つのステップ。この図の1〜5の方法を用いた。(提供:issue+design)

「地域みらい大学」では“強い”氷見ブランドの将来像を構築すべく、行政職員と事業者が一緒になって全5回のワークショップを開催。1.現場を歩く2.変化を読む3.声を聞く4.地図を描く5.道をつくる、というソーシャルデザインの方法論にそって検討を重ねた結果、「日本の魚食文化をリードするまち」という定義でブランドづくりをしていくことが決まりました。
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地域みらい大学で生まれた「氷見の海色クレヨン」

それを実現するために何をすればよいのか。地域みらい大学で行われたワークショップから生み出された17個のアイデアのなかから代表的な物を紹介します。

・ 「氷見の海色クレヨン」さまざまな表情を見せる氷見の海の色を表現する。ウェルカムギフトやイベント向けのプロダクト
・ 「氷見だけの缶詰」氷見で自ら料理したもので缶詰をつくり思い出と共に持ち帰る
・ 「勝てる魚朝食発信プロジェクト」魚食×スポーツ栄養学を掛け合わせ名物朝食をつくり、民宿の差別化を図る
・ 「満月レストラン」満月の明かりの下で氷見の魚を食べるツアー

すでにある資源を掛け合わせ、新しく氷見をPRする多様なアイデアが生まれました。

「魚食文化をリードするまち」をどう実現する?

本川さんのプレゼンを踏まえ、まずは個人で氷見ブランドを強化するアイデアを考える時間です。本川市長から出されたテーマはもちろん「“魚食文化をリードするまち”にするために何をすればよいか」。
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ふせんに書かれた参加者のアイデアを見比べます

氷見漁港では日本近海の有数の種類の魚が水揚げされたり、ある調査では大学生の75%が実は魚好きだったり、海外での寿司人気など、氷見市が目指す「魚食文化の普及」にとっては心強いエピソードが数多くあります。より多くの人に魚食を取り入れてもらうためにはどうしたら良いのかを個々人で考えるところからワークをスタートし、その後3~4人のグループに分かれアイデア出しを行いました。そのアイデアをふせんで構造化し、ダイアログのテーマとして選ばれたのは次の9個でした。

・ 魚式ダイエット
・ 魚食に合うカトラリーづくり
・ 365日魚定食の提案
・ 世界一の寿司大会
・ 水産庁の移転
・ リアル竜宮城づくり
・ ブリのアニメ制作
・ 魚ビール
・ 氷見の魚を使った世界の料理プロジェクト

“Tough&Hard”な氷見のイメージを“Friendly&Fun”に変える

アイデアごとにチームを組み、魅力を伝える大見出し、達成数字などを表す小見出し、イメージビジュアル、達成年度の日付を入れた新聞紙面を作成する“未来新聞”形式でワークを行いました。
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“未来新聞”を発表。このチームはSUSHIをフックにオリンピック開催を提案

最後は、各チームからのプレゼンテーションです。2020年に氷見市で「魚(ぎょ)リンピック」を開催し、世界から集まった料理人が店を出しやすい「料理特区」をつくるというアイデアのプレゼンテーションを皮切りに、今回全チームのアイデアが成功した結果として2020年に「水産庁」ならぬ「氷産庁」が氷見にできる、という破天荒なアイデアまでが出揃いました。

悩みに悩んだ末に本川市長が表彰し記念品を贈呈したのは「氷見発の魚式ダイエット、N.Y.で大ブーム!」の大見出しを掲げたチーム。海外から氷見の魅力を発見する視点と実現性の高さが評価されました。

プレゼンテーション前には元ファシリテーターの経験を生かし、「本気の議論、なおかつ“笑い”も忘れないプレゼンを短時間で!」と話していた本川市長は、感激を隠しきれません。「“Tough&hard”な氷見のイメージを、“Friendly&Fun”に変えるビジネスセンスが大いに発揮されたと思います。ぜひみなさんの知恵をお借りし、実現させていきたい」とコメント。地域ブランド強化の手立てを参加者全員で考えることができたワークショップとなりました。
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海外から国内へのアプローチを見すえ提案された「魚式ダイエット」

氷見だけでなく地域の魅力を国内外に伝えていくには、継続的な活動が必要です。自治体担当者だけが努力をするのではなく、地域に関連を持つ人々とどのような関係性をつくっていくのかという視点は必要不可欠ですが、今回は都市のビジネスマンと新しい関係をつくることの可能性を感じたイベントとなりました。これからも地域と都市をつなげ、双方の視点で新しい価値づくりを行っていきます。

氷見からはじめる “ソーシャルデザイン”入門 ──氷見市×issue+design×富士通デザイン(前編)


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