不動産売却の流れを完全解説!基礎知識から高く売るためのコツもわかる

不動産売却の流れ

不動産売却には様々な手続きや書類が必要なため、手順がわからず迷っている人も多くいます。

この記事では初めて物件を売る人のために、不動産売却の基礎知識から流れまで、わかりやすく解説しています。

不動産売却では、いくつかの項目を覚えておけば、通常より高い査定額で売却できるコツもあります。

「家を売りたいけど、何から始めたらいいのかわからない!」
「不動産売却の流れが難しくて理解できていない…」

物件を売却するにあたって、こういった悩みを持っている人はぜひ参考にしてみてください。

目次

不動産売却の流れと全体手順を7ステップで完全解説

不動産売却の流れは主に以下手順の7ステップとなります。

  1. 必要書類を揃えて売却を進める準備をする
  2. 不動産会社へ依頼して物件の査定をする
  3. 不動産会社を選んで媒介契約を結ぶ
  4. 売りたい物件の売却活動や内覧対応を行う
  5. 買主との売買契約を結ぶ
  6. 買主へ物件を引き渡しする
  7. 売却によって得た利益があれば確定申告する

売却の準備から査定して契約・引き渡しと、少し手順が多くて「不動産の売却って大変そう…」と思う人は多いです。

しかし不動産会社に任せられる部分も多いので、売却にハードルを感じる必要はありません。

具体的に不動産売却のそれぞれの手順について、項目ごとに詳細を見ていきましょう。

1. 必要書類を揃えて売却を進める準備をする

まずは不動産売却に必要な書類を用意しておきましょう。

一戸建て売却から土地やマンションといったパターン別に、必要な書類を表へまとめました。

書類 内容 マンションの場合
登記簿謄本・登記事項証明書 土地や建物の所在地や所有者を確かめる
売買契約書 以前との買主との間で交わしたもの
重要事項説明書 以前の不動産購入時に不動産会社から受け取ったもの
土地・建物登記済証(権利証)
or
登記識別情報
持ち主だと証明する
固定資産税納税
都市計画税納税通知書
固定資産税の清算を買主と行うのに必要
地積測量図
境界確認書
隣接地の所有者との境界を確める
物件の図面
設備の仕様書
部屋のイメージ・間取りを確める
建築確認済証
検査済証
建物が検査に合格しているか確める
マンションの管理規約
使用細則
維持費関連書類
住むにあたっての注意事項を確める
建築設計図書
工事記録書
工事の詳細を知る あるといい
アスベスト使用調査報告書
耐震診断報告書
古い建物の信頼性を確かめる あるといい

戸建ての査定とマンションの査定では、用意する書類に少し違いがあります。

また引き渡し時に必要な書類も、押さえておきましょう。

  • 身分証明書→運転免許証・マイナンバーカードなど
  • 実印
  • 印鑑証明書、住民票→発行して3ヶ月以内のもの
  • 銀行口座の通帳
  • ローン残高証明書、ローン返済予定表
  • 物件のパンフレット

必要書類は、売却する不動産を手に入れた時に、受け取った書類を用意すると考えておけば大丈夫です。

自分で用意するのが難しい場合は、不動産会社と相談しながら必要な書類を用意すれば、無駄を省けます。

2. 不動産会社へ依頼して物件の査定をする

不動産を安い金額で売却しないためには、適切な相場感を知る必要があります。相場を知るには、複数の不動産会社で査定をもらうのがおすすめです。

日頃から売却や買取を行っている不動産会社で査定してもらえば、持っている不動産の価値がリアルにわかります。

国土交通省の土地総合情報システムでも相場を調べられますが、不動産に関しては、専門家の査定の正確さには敵いません。

査定額を出してもらえれば、住宅ローンが完済できるかなども考慮に入れつつ、不動産を売却すべきか詳細に考えられます。

注意してほしいのは、最低でも3社以上の不動産会社に査定してもらわないと、意味がない点です。

不動産会社の査定ルールは、公式に決まっているわけではありません。
また都心部のマンションを多く扱っていたり、郊外の一戸建てに詳しかったりと、会社によって得意・不得意な物件があります。そのため依頼する会社で違う金額が出る場合も。

1社に査定してもらっただけでは、査定額が相場にあったものかはわかりづらいです。

複数の不動産会社に査定を依頼し、「算出された金額」と、「不動産会社の対応がまともかどうか」を比べるのがベスト。

ただ実際に不動産会社を何社も回るのは、手間と時間がかかるので面倒くさいもの。
そこで、手軽な「机上査定」を使ってみてください。

机上査定ってどんな査定方法?

「机上査定」は築年数や立地、間取りなどの条件を相場と照らし合わせ、データを元に査定する方法


「机上査定」の結果を元に、不動産会社の担当者が現地を訪れて、より正確な「訪問査定」を行うのが、一般的な流れと言えます。

「机上査定」をまとめて複数社に依頼できるのが「不動産一括査定サイト」。パソコンやスマホから、無料で複数の査定会社に査定してもらえるので非常に便利です。

不動産会社へ希望や要件を細かく伝える

不動産会社に物件の査定を依頼する時に、自分の希望や要件を細かく伝えておきましょう。

例えば以下のような条件を、不動産会社に相談する前にメモしてと、具体的に整理できます。

  • 近所の人にバレないように売却を進めたい
  • 〇月までに売却を完了させたい
  • できるだけ早く売ってしまいたい
  • インターネット広告や折込チラシで販売促進して欲しい
  • 売却活動で〇〇はやってほしくない

詳細な条件を前もって伝えておけば、事情を汲み取って対応してもらいやすいです。

強引に売却活動を進めたり、要望を受け入れてくれなかったりする会社を避けられる利点もあります。

どうやって物件を売るのか、具体的な方法を決めるのは不動産会社ですが、理想的に売却が進むように要望はキッチリ伝えておきましょう

3. 不動産会社を選んで媒介契約を結ぶ

物件の査定が済んだら、実際に契約する不動産会社を選びます。

不動産会社は全国各地に多数あるため、不動産売却のおすすめで迷う人は、以下の3つをチェックしてみてください。

  • 査定額が適切か
  • 査定額を算出した根拠がはっきりしているか
  • 担当者は丁寧でスピーディに対応してくれるか

「査定額が一番高い不動産会社を選べばいいのでは?」と思うかもしれません。

実際のところ不動産会社が査定した金額は、「3ヶ月ほどで売却できる可能性が高い」目安の金額です。査定金額で必ず売れると、思い込まないようにしましょう。

不動産会社の中には、不当に高い値段を付けて、契約をさせようとする悪質な業者もいます。そのため「査定額を出した根拠」について、聞いてみるのもひとつの手です。

知識や経験に基づいた丁寧な答えがもらえず、対応に不審な部分があれば、1度「もう少し考えさせてください」伝えましょう。

焦って契約結ぶと後から後悔する可能性もあります。

不動産売却における媒介契約には、契約した1社の不動産会社が積極的に売却活動を行ってくれる「専任媒介契約」と、無理な値下げなどを要求されにくい「一般媒介契約」の2つがあります。

強い希望がなければ「専任媒介契約」を結ぶといいでしょう。

4. 売りたい物件の売却活動や内覧対応を行う

不動産会社と契約を結んだら、物件の売却活動や内覧対応を進めます。

店頭で広告を出し、チラシやインターネット広告などでの宣伝は不動産会社が行ってくれます。

ただ任せきりにするのはNGです。広告の改善点やサイトで紹介する情報のチェックなど、「もっと〇〇してほしい」と希望を伝えれば、担当者の対応がよくなる場合も。

内覧は売りたい物件の魅力を伝えるチャンス

内覧対応もできる限り対応できるようにしましょう。
家の状態や物件特有の価値をピックアップし、見にきた人に魅力をアピールしてください。

売主自身が直接対応すれば、生活した人にしかわからない良さを伝えられます。売る時まで物件に住んでいるならもちろん、家を片づけて清潔にしておくのも有効です。

住みやすさや日当たり・景観の良さなどに加えて、買い物や生活のしやすさも伝えられると、買い手がより具体的に検討してくれます。

不動産会社と相談し、外観を整えるのもおすすめです。庭の草木をせん定して綺麗にし、必要なら外壁の塗装も行いましょう。

5. 買主との売買契約を結ぶ

購入希望者が現れたら、不動産会社から金額や条件が記載された「買付申込書」を受け取って、双方の条件を確認します。

価格や修繕費用の負担などの条件を話し合って合意できたら、宅地建物取引士などの資格を持つ担当者から、詳細な「重要事項説明」と契約に関する書面の交付へ。

売買契約書や設備表などを確認し、問題がないかチェックします。

「知らなかった内容が盛り込まれている」「事前に聞いていた条件とは違う」などを防止するため、物件の情報や条件をしっかり確認しておきましょう。
物件の引き渡しが終わってからトラブルが起きないように、丁寧にチェックするのが重要です。

手付金額や実際に引っ越しする日などを担当者を通して決定し、条件がまとまったら契約書に署名と捺印をし、「売買契約」を結びましょう。ここまで完了すれば、契約が無事に成立します。

成立後に、買主から売主に売却価格の10%ほどの手付金、売主は不動産会社に媒介手数料の半額ほどを支払うのが一般的です。

6. 買主へ物件を引き渡しする

買主に物件を引き渡しするまでに、売主は所有権の移転や抵当権の抹消、住宅ローン返済の手続きなどをしておきます。
不動産売却に関する手続きの多くは、不動産会社が行ってくれるので、そこまで神経質になる必要はありません。

ただし引き渡し当日に手続きが間に合わないと、契約内容によっては違約金が発生する場合もあるので要注意。

引き渡し当日にも必要な対応がある

引き渡し当日には代金の決済や登記の変更、必要書類や鍵の引き渡しを行います。
用意する書類は、不動産会社から事前に言われたものを揃えておけば、問題ありません。

売買契約を結んだ時に不動産会社に払った、媒介手数料の残り半分を支払うのも、引き渡しのタイミングです。

契約する時に確認した、設備や備品の引き渡しなども忘れてはいけません。内覧対応前に、ゴミや不要な家具などを廃棄しておけば、スムーズに引き渡しが完了します。

7. 売却によって得た利益があれば確定申告する

家の売却によって、利益が出ていれば確定申告が必要になります。

確定申告は、一年間の収入と支出を計算し、納税する金額を決定する作業です。売却して利益が出た場合はもちろんですが、損失が出た場合でも他の所得と合算して税金を抑えられる場合も。

例えば住んでいたマイホームを売却すると、所有していた期間の長さに関わらず、最高3,000万円まで控除できる特例があります。また10年以上所有していたマイホームを売却すると、低い税率で計算する特例も利用可能。

脱税になる場合は税務署から指摘を受けますが、控除できるのにしなかった場合は教えてもらえません

会社員として給与収入をもらっていると、源泉徴収で自動的に税金を納めているので、確定申告は忘れがち。
余計な税金を払って損する場合があるので、上手に控除を利用しましょう。

確定申告を行う期間は例外もありますが、毎年2月16日~3月15日の間が通例です。不動産会社からも、確定申告について教えてもらえる場合があります。

不動産売却とは?まず最初に確認するべきチェックリスト7項目

不動産売却とはその名のとおり、土地や家などの不動産を売却すること。

不動産を売却するとなった際には、まず最初に確認しておきたいのがこちらの項目です。

不動産売却で最初に確認すべきチェックリスト
  • どのくらいの金額で売れるのかを知る
  • どのくらいの期間で物件を売りたいかを決める
  • ローンの残債がどのくらいか把握する
  • 家族の同意は取れているか
  • 実際に売却する際の流れを知る
  • 損しない契約方法を知る
  • 高く売るためのコツを抑える

売却時に不動産業者に丸投げすると、気付かぬうちに相場より低い金額での売却になる可能性があります。

ある程度は自分でも不動産の基礎知識を身に着けておきましょう。

家やマンション、土地売却の取引は高額ですし、初めてなら余計に不安を感じます。
最初の一歩をなかなか踏み出せない人も多くいます。

大切な家や土地を売るのだから、なるべく相場よりも高い価格でスムーズに売却し、新しい住居での生活を始めたいもの。

不動産売却は決して簡単ではありませんが、ポイントを抑えて実行に移せば、希望通りの売却ができる可能性が高くなります

不動産会社が積極的に公開していない情報や暗黙の了解なども知っておけば、有利な条件で取引を進めるのも十分可能です。

この記事を読めば、損をせずに安心して、不動産売却できる方法が簡単に理解できます。不安な部分やモヤモヤした気分を解消できるので、ぜひチェックしてみてください。

不動産を売却する2つの方法を解説

不動産を売却するには、「仲介」と「買取」の2つの方法があります。違いをシンプルに言うと、以下のとおりです。

  • 「仲介売却」→買主が「個人のお客」
  • 「買取売却」→買主が「不動産会社」

「仲介売却」はできるだけ高く売りたい人に、「買取売却」はなるべく早く売却したい人におすすめの方法です。双方にメリットとデメリットがあるので、自分にあった方法を選ぶといいでしょう。

それぞれの売却方法について、詳細を解説していきます。

仲介売却は不動産会社を通して買主を探すこと

「仲介」の売却は不動産会社を通して、一般の個人の買主を探す方法です。不動産会社が間に入り、販売活動や契約条件のすり合わせや手続きなどの準備をしてくれます。

仲介のメリット ・相場価格で売却しやすい
・買い手が見つかる可能性が高い
仲介のデメリット ・売却完了まで時間がかかる仲介手数料がかかる
・内覧の対応が必要

仲介の大きなメリットは、適性な相場価格で売却できる可能性が高いこと。個人のお客さんが購入するため、実際に住んで使う場合が多く、相場通りの金額が落ち着きやすくなります。

住宅ローンの残債が多いなどで、できるだけ高く売りたいなら仲介がおすすめです。

不動産会社が複数の広告媒体を使って宣伝し、広く希望者を探すため、買主が見つかりやすくなります。

一から買主を探すので、宣伝や販売・契約折衝の時間を想定する必要があるので気をつけましょう。

不動産会社は一般的に3ヶ月を目安に、査定額を算出して宣伝します。
売主の希望が市場価格よりも高いと、買い手が見つからない可能性も。

都市部から離れた地方など、条件によっては3ヶ月以上、長い場合は1年以上もかかる想定で動くと、余裕を持って不動産を売却できます。

買取は不動産会社に物件を買い取ってもらうこと

一方で「買取」による売却は、不動産会社に物件を買い取ってもらう方法です。仲介と違って、間に一般のお客さんが入らないので、売買が進みやすくなります。

買取のメリット ・物件を早めに現金化できる
・仲介手数料が不要
・内覧対応しなくていい
買取のデメリット 買取価格が市場価格のより2~3割低くなる

仲介は一般のお客さんを対象にするので、マッチングができなければ、売却まで半年かかる可能性も。
不動産会社の買取では、早ければ1ヶ月以内に売却手続きが完了する場合もあります。

不動産会社が直接買取るので仲介手数料もいりませんし、担当者が物件を確認するので内覧対応も不要です。手間をかけずに、できるだけ早急に現金化したい時は、買取がおすすめ。

例えば消費者金融のおすすめ業者で借り入れをしなければいけないくらいお金に困っているといった場合、買取を選んで現金化した方が生活苦にならずに済みます。

買取のデメリットは、市場価格よりも2~3割ほどの安い金額でしか売却できないケースも多いこと。

不動産会社からすれば、改めてお客に売る「仕入れ」に当たるので、相場価格より安くなるのは仕方がありません。

ローンの滞納を重ねてしまうなど、支払いが困難になると、競売にかけられてより状況が悪化してしまいます。

買取で早めに現金化するのも、選択肢の1つに入れてみてください。

知っておくべき不動産売却の契約方法と仕組み

不動産売却をする時には、契約方法や仕組みが一般の取引とは違っており、知らないと戸惑う可能性があります。

不動産のこちらの仕組みについて抑えておくだけでも、不当な契約を結ばされるリスクが減らせるでしょう。

  • 両手取引と片手取引の違いは「買主をどこから探すか」
  • 専任媒介契約と一般媒介契約の違いは「取引の自由度」

名前だけ見ると難しく感じるかもしれませんが、以下で簡単に説明しているので、ぜひチェックしておいてください。

不動産売却における両手取引と片手取引の違い

不動産売却の仲介手数料における「両手取引」と「片手取引」の違いは、「不動産会社が買主をどこから探すか」です。

「両手取引」が行われると、売主にとって不利益になる場合があるので要注意。

それぞれの取引方法の違いは、こちらのようになっています。

両手取引 売主と買主の、どちらも同じ不動産会社が手配した場合。
不動産会社には売主と買主の両方から、仲介手数料が入ります。
片手取引 売主と買主を、それぞれ別の不動産会社が手配した場合。
不動産会社は、手配した売主か買主のどちらかから、仲介手数料が入ります。

不動産会社は基本的に「売主と買主の両方から仲介手数料をもらえる」ため両手取引を勧めます。
実際に不動産会社側にメリットが多いため、両手取引のほうが売却活動に力を入れてくれるケースが多いです。

両手取引には囲い込みのリスクもある

両手取引にすると悪質な不動産業者にあたった場合、『囲い込み』をされるリスクがあります。

囲い込みとは、担当した不動産の売却を両手取引にするために、他社経由の申し込みを遮断してしまうこと。

囲い込みが行われていないかどうかチェックするには、不動産会社に頼んで「レインズ」に登録された物件を閲覧しましょう。

レインズとは?

「レインズ」とは、国土交通大臣に指定を受けた不動産流通機構が管理するネットワークシステム。不動産会社(宅地建物取引業者)向けの情報共有サイトです。

レインズは通常、不動産業者専用のシステムですが、物件の売主は一部の情報を閲覧できます。

売りたい物件が勝手に非公開になっていると、囲い込みが行われている可能性があります。

「レインズ」に登録された物件情報が、以下のどのステータスになっているか確認しておきましょう。

  • 「公開中」→業者から案内が受けられる状態
  • 「書面による購入申込みあり」→購入申し込みを受けた状態
  • 「売主都合で一時紹介停止中」→事情により物件を紹介できない状態

( 参考: 公益財団法人東日本不動産流通機構 )

もし「売主都合で一時紹介停止中」になっていたら、理由を聞いてみてください。

不動産会社との契約には2つの種類がある

不動産会社との契約方法には、以下の2種類があります。

  • 「専任媒介契約」→契約した不動産会社で売却
  • 「一般媒介契約」→複数の不動産会社で売却できる

専任媒介契約は契約した不動産会社が積極的に販売活動を行ってくれる半面、値下げを無理強いされるリスクがあります。

一般媒介契約は複数の不動産会社や、自分で買主を見つけて売るのも自由な反面、手間と時間がかかる可能性も。

どちらの契約にもメリット・デメリットがあるので、以下の解説でしっかりチェックしておきましょう。

専属媒介契約は必ず契約した不動産会社で売却する

「専任媒介契約」は契約した不動産会社で、必ず売却する方法です。一旦締結すると他の不動産会社と同時に媒介契約を結べません。

不動産業界では仲介を媒介といい、積極的に売却活動をしてもらいたい時におすすめの契約方法です。

専任媒介契約のメリット 販促や広告などの売却活動を積極的に行ってもらえる
専任媒介契約のデメリット ・他の不動産会社からの問い合わせを断る可能性あり
・物件の値下げを要求される可能性あり

専任媒介契約を結ぶと、不動産会社は他の業者に契約を取られる心配がありません。そのため、店頭ディスプレイを充実させたり、インターネット広告やチラシを熟考したりと、売却活動を積極的に行ってくれます。

専任媒介契約は2週間に一度以上、売却活動に関する報告義務も設定されているので、不動産会社の動きを把握できるのも強み。

不動産会社がより力を入れてくれるので、売却まで進みやすいのが「専任媒介契約」の大きなメリットです。

専任媒介契約を悪用する不動産会社に注意

専任媒介契約で悪質な不動産会社に当たってしまった場合、他の不動産会社からの問い合わせを断ってしまい、売れるチャンスが少なくなる可能性もあります。

また物件の値下げを要求される場合も。既存の顧客からマッチングさせれば、売り手と買い手の両方から仲介手数料をとれるため、希望通りの価格で売ってくれない可能性もあります。

不動産会社に任せきりにせず、売却活動の内容は逐一チェックしましょう。

専属専任媒介契約は不動産会社主導で売却を行う

専任媒介契約の中には、よりしっかり不動産会社の動きを確認できる「専属専任媒介契約」も。

専属専任媒介契約では、売主へ1週間に一度以上の報告義務が必要となります。

また売主が自分で買主を見つける、自己発見取引ができません。
不動産会社へのお任せ度が、より高い契約方式です。

一般媒介契約は複数の不動産会社に売却依頼できる

一般媒介契約は、複数の不動産会社に売却依頼ができる契約です。自由に買主を選びたい時や、無理な値下げをされたくない時に向いています。

一般媒介契約のメリット ・契約会社や買主を自由に選択可能
・囲い込みや無理な値下げを要求される心配がない
一般媒介契約のデメリット ・不動産会社の売却活動が積極的に行われない可能性あり
・複数社や買い手を見つける手間がある

複数の不動産会社と契約できるため、より広い範囲の買い手に見つけてもらいやすくなります。

また自分で買主を見つける自己発見取引もできるので、知人に物件を欲しい人がいたら不動産会社を断れる、選択肢の広い契約方法といえるでしょう。

一般媒介契約は不動産会社の一社独占ではないため、既存顧客と無理やりマッチングさせたり、安すぎる金額で売却させられたりするリスクもありません。

一般媒介契約は積極的に売却活動をしてもらえないリスクも

一般媒介契約での売却活動は、「販促活動をしても他の会社にとられる」と不動産会社に思われ、売却活動が積極的に行われない可能性があります。

人気エリアの物件なら話は別ですが、特別な条件がなければ、売れるまでに時間がかかる場合も

自由度が高い半面、契約した多数の不動産会社ともやり取りをする必要があり、手間はどうしてもかかってしまいます。

普段から仕事などで忙しく、なかなか時間がとれない人は、自由度の高さを活かせない可能性が高いです。

時間に余裕があるなら、一般媒介契約でより条件のいい買い手が見つかるまで、じっくり進めるといいでしょう。

不動産売却にかかる期間はおよそ2〜6ヶ月ほど

不動産売却にかかる期間は、2~6ヶ月はかかると想定しておきましょう。

不動産会社は物件の売却依頼を受けたら、3ヶ月ほどで売却できるように、査定価格を提案して販促活動を進めるものです。

利便性が高くて人気のエリアや、タイミングよく買主が見つかった場合は、予想よりも早く売れるケースもあります。長い場合は売却完了までに、1年以上かかるケースがあるのも事実です。

売却期間が長くなるケースには、こちらのような例があります。

  • 希望する売却価格が相場から大きく離れていた
  • 立地条件や汚れなどの状態があまりよくない

どれだけ高く不動産を売ろうとしても、物件に見合った価格でないと、買い手はついてくれません。

積極的に不動産会社が販促活動を行い、実際に買主が決まっても、双方が契約に納得できるまで時間がかかる場合もあります。

設備の引き渡しやリフォームなどの条件すり合わせや、引き渡し期限の設定には、それなりの時間が必要。

不動産売却の鉄則は、早めに情報収集を開始すること。

余裕のあるスケジュールを立てて、気持ちにも余裕を持つのが大事です。

あとになって「もっと時間をとっておけばよかった」とならないように、気を付けましょう。

不動産売却の契約期間は3ヶ月間が一般的。「契約の期限がきたので、更新してください」と無理やり迫ってくる不動産会社は要注意です。

もし不動産会社の対応があまりよくなかったり、売れる気配が感じられなかったりする場合は、契約更新の時に会社を変えてみるのもいいでしょう。

不動産売却を成功させるためには?家を高く売るための5つのコツ

不動産売却では高く売るためのコツを知らないと、損をする可能性があります。実際に不動産売却を成功させるためのコツは、以下の5つです。

  • スケジュールに余裕を持って売却を進める
  • 掲載する写真はこだわって撮影してもらう
  • 売りたい物件の不備や不都合な部分も正直に伝える
  • 賃貸物件にして家賃収入を得る選択肢もある
  • 必ず複数社で物件の見積もりを取るようにする

不動産を少しでも高く売りたい、早く買い手が着くようにしたい人は、コツを抑えておきましょう。

スケジュールに余裕を持って売却を進める

不動産売却を成功させるには、スケジュールに余裕を持つのが重要。

売却期間が長い分、高額で購入してくれる買い手を待ったり、交渉したりする時間も確保できます。
掃除や整理整頓をして内覧の準備をしたり、必要な書類を用意できたりと、細かい部分まで対応可能です。

買い手を一般募集する「仲介」でスタートし、期限までに契約が決まらなければ、不動産会社に購入してもらう「買取」に切り替える選択もできます。

慌てて売却するのはおすすめできません
安い金額で売却せざるを得ない状況になりやすいです。

掲載する写真はこだわって撮影してもらう

店頭チラシやインターネット広告に掲載してもらう写真は、しっかりこだわって撮影してもらいましょう。

一戸建てやマンションの場合は、外観は晴れた日に撮影してもらい、見栄えを良くするといいです。外壁がよく見える角度から撮影してもらうなど、撮影する部分も丁寧に選定しましょう。

また実際に住んでいる場合は、なるべく片付けて生活を感じさせないようにするのもポイント。
逆に空室物件の場合は、家具やインテリアを入れて内観を撮影してもらうのも有効です。

別途費用を負担すれば、家具や小物をうまく配置して見栄えをよくする「ホームステージング」をしてくれる不動産会社もあります。

できるだけ早く、高額で売却したいなら、写真にはこだわってみてください。

売りたい物件の不備や不都合なことも正直に伝える

設備の故障や不備、トラブルなどの不都合な部分も正直に伝えましょう。

欠陥や不具合といった、いわゆる「瑕疵(かし)」を知りながら隠すと、契約解除や損害賠償に発展するリスクがあります。

2020年4月の民法改正まで「瑕疵担保責任」と呼ばれており、現在では「契約不適合責任」「説明責任」と呼ばれている問題です。

売買契約書や重要事項説明書に載っていない不都合がトラブルになるので、しっかりと記載しておけば責任は追及されません。

例えばシロアリの浸食がないかどうか調べる、近所にクレーマーなどがいれば伝えるなどの対策が重要です。どこまで伝えればいいのか判断が難しければ、不動産会社に判断してもらいましょう。

追加で費用はかかりますが、住宅問題に精通した住宅診断士に劣化や修繕についてアドバイスを受ける「インスペクション」を利用するのもいいでしょう。

売却後に買主からクレームが入るといった心配を、減らしておけます。

賃貸物件にして家賃収入を得る選択肢もある

無理に売却するのではなく、賃貸物件にして家賃収入を得る選択肢も検討してみましょう。

一括してまとまった金額を手に入れるよりも、少額でもいいので毎月継続した収入を得た方がいい場合もあります。

売りたい物件がオフィス街へのアクセスがいい、小学校や中学校が近くにある場合は、家賃相場が高くなる可能性もあります。

築年数が経っている戸建てでも、近隣へのアクセスが良ければ、十分賃貸物件として運用可能です。

物件を売却して、お金を相続するのを考えている場合も、賃貸にした方が税金を抑えられるケースもあります。

賃貸にする場合のリフォーム代なども考慮して、売却とどちらが優れているか判断するのが重量です。

必ず複数社で物件の見積もりを取るようにする

不動産会社に売却依頼する時も、一社だけではなく、必ず複数社で物件の見積もりを取りましょう。

大手や地元の会社だから信頼するのではなく、自分の売りたい物件に最適な不動産会社はどこなのか、比べるのが重要です。

不動産会社だけではなく、担当者もしっかりチェックしましょう。知識や経験に基づいた根拠のある説明ができ、質問に明確に答えてくれて、納得できる会社を選ぶべきです。

「自分ではどこの不動産会社にすればいいのかわからない」「いくつも会社を回る時間も暇もない」といった人は、複数の不動産会社への一括査定サービスを使ってみましょう。

自分1人で相場の調査や書類を用意しても、判断が甘くて損するリスクが高まります。入力した情報を元に、物件の種類や条件から最適な不動産会社を紹介してくれるので、売却経験のない人にピッタリです。

不動産売却におすすめな一括査定サイト5選

不動産売却におすすめな一括査定サイトは、以下の5つです。

  • LIFULL HOME’S:匿名査定ができる
  • イエウール:地方の物件まで幅広く査定
  • 東急リバブル:年間取引実績が2万件以上・売却保証付きで安心
  • いえカツLIFE:相続などの面倒な事情にも対応
  • イエウール:地方の物件まで幅広く査定
  • ズバット不動産売却→不動産コラムも充実

不動産査定サイトは無料で利用できますし、無理に売買契約を迫られないので、まずは気軽に利用してみてください。

以下に各サイトの詳細を紹介していきます。

LIFULL HOME’Sは日本トップクラスの掲載件数を誇る

LIFULL HOMES
公式サイト https://www.homes.co.jp/satei/
対象不動産会社数 3,587社
LIFULL HOME’Sのメリット

・上場企業で信頼度が高く査定できる会社数は最大クラス
・査定前に不動産会社の特徴や強みをチェックできる
・戸建てやマンションから倉庫や工場まで、査定できる物件ジャンルが豊富
・一括最大10社まで査定できる

LIFULL HOME’Sのデメリット

・査定依頼が出せる会社が多くて手間が増える可能性あり
・地方の場合は登録不動産会社が少ないエリアもある

LIFULL HOME’Sのサービス・保証制度

サービス名 内容
スピード売却 最短48時間で不動産の現金化も可能。
無料電話相談「うるサポ」 東京都のマンション売却時に、専属アドバイザーが中立的な立場でアドバイス。

LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)は、できるだけ多くの不動産会社から査定を受けたい人に向いています。

LIFULL HOME’S独自の基準で選んだ、厳選された不動産会社のみが掲載されており、参加している会社も全国3,587社と豊富。

ただ査定時にもらえるパンフレット以上の情報が少なく、「もっと細かい情報が欲しい」と感じる可能性があります。他の不動産査定サイトと併用するのが、おすすめの使い方です。

イエウールは不動産の知識がなくてもスムーズに査定できる

イエウール
公式サイト https://ieul.jp/
対象不動産会社数 1,974社
イエウールのメリット

・47都道府県の不動産査定が可能
・年間売却実績が20万件以上
・悪徳業者を排除しているので安心

イエウールのデメリット

・エリアによって会社の質に差がある
・サポートが十分でないとの口コミもある

イエウールのサービス・保証制度

サービス名 内容
全国1,974社のうち最大6社から無料査定 スマホ・PCから24時間いつでも、たった60秒で不動産の査定が受けられる。
不動産の売却成立を徹底サポート 年間20万件のサポートを行った実績で、売却成立まで徹底サポート。

イエウールは、地方の住宅や土地を所有し続けるのが大変だと感じている人に向いています。

イエウールは全国47都道府県の不動産査定に対応しているのが、最大の特徴です。他の不動産査定サイトで高額がつかなかった時でも、イエウールなら思った以上の結果を得られる可能性があります。

月間利用者数が1万3,000人を突破している大手サイトです。クレームの多い企業を排除しており、より安心して査定を受けられます。

不動産査定の無料診断では、売りたい物件に当てはまるボタンを押すだけで、簡単に査定申し込みが完了します。

不動産の知識がない人でも、難しい情報を入力せずに、スムーズに査定できるのがメリットです。

東急リバブルはリスクを抑えながら不動産売却できる

東急リバブル
公式サイト https://www.livable.co.jp/baikyaku/lp_b/
対象不動産会社数 非公開
東急リバブルのメリット

・年間取引実績が25,635件
・期間内に売れなかったら東急リバブルが購入してくれる
・補修費用を最長2年間・500万円まで保証
・ビデオ通話でオンライン相談が可能

東急リバブルのデメリット

・見栄えをよくするために購入した家具費用は保証されない

東急リバブルのサービス・保証制度

サービス名 内容
売却保証 一定期間に売却できなかった場合、事前に設定した金額にて対象物件を、東急リバブルが購入。
不動産買取サービス 対象物件を、東急リバブルが買主となって、仲介手数料不要で直接購入。
リバブル安心仲介保証 無料で建物・住宅設備検査を行なった上で、瑕疵対応費用を最大500万円まで、最長2年間補償。
アクティブ売却パッケージ「アクセル君」 マンションのリフォーム・モデルルーム演出・売却保証がセットになったプラン。

東急リバブルは売れ残りリスクを回避しながら、不動産を高額売却したい人におすすめです。

東急リバブルは2020年度の不動産取引実績が、25,635件と非常に豊富。
1日で約70件、20分に1件は取引している計算になるので、ノウハウが蓄積されているのは間違いありません。

物件が一般のお客さんに売れなくても、東急リバブルがリフォーム代を含めて買い取ってくれる制度があります。

リスクを最小限に抑えられるのが、東急リバブルの大きな特徴です。

公式Webサイトの入力フォームへ入力すると、たった60秒で無料査定が受けられます。

いえカツLIFEは相続や離婚などのサポートを受けながら売却できる

いえカツLIFE
公式サイト https://iekatu-life.com/
対象不動産会社数 500社
いえカツLIFEのメリット

・相続や離婚・金銭的な問題のある物件でも対応可能
・弁護士に無料で法律相談ができる
・厳選された不動産会社500社から合う会社を選定

いえカツLIFEのデメリット

・査定する不動産会社を選べない
・一都三県しか対応してもらえない

いえカツLIFEのサービス・保証制度

サービス名 内容
3つの売却査定      一般のお客さんの「仲介」、不動産会社の「買取」、賃料を支払いながら不動産に住み続けられる「リースバック」の3つから選択可能。
初回無料の法律相談 指定の弁護士事務所で、相続や離婚で問題の生じた物件の相談にのってもらえる。

いえカツLIFEは相続や離婚、金銭問題のサポートも受けながら、不動産売却をしてほしい人におす。

弁護士への無料相談ができるので、相続などのトラブルになりやすい部分にも対応してもらいながら、不動産売却を進められます。

査定を受けられるのは、東京・埼玉・神奈川・千葉と一都三県のみですが、お客様満足度自社調べは97.2%を達成。

地域限定ではありますが、満足する不動産売却ができるサービスです。

ズバット不動産売却は豊富な実績で信頼性が高い

ズバット不動産売却
公式サイト https://zba.jp/real-estate/
対象不動産会社数 非公開
ズバット不動産売却のメリット

・契約成立で現金1万円がもらえる可能性あり
・20年以上の豊富な運営実績
・不動産売却に関するコラムが充実

ズバット不動産売却のデメリット

・営業電話がかかってくる可能性あり
・利用する不動産会社を自発的に選べない

ズバット不動産売却のサービス・保証制度

サービス名 内容
ウェブコラム「不動産売却ガイド」 初めて不動産売却を検討している人でも、基礎知識を身につけることができるコンテンツ。
現金1万円プレゼントキャンペーン 不動産会社と媒介契約したら、現金1万円をプレゼントしてもらえる。

ズバット不動産売却は知識をつけながら、査定をしてもらいたい人に向いています。

不動産査定以外に多くの比較サイトを運営してきた20年以上の実績があり、コラム記事が豊富などサイトコンテンツが充実しています。

売買契約の成立後にアンケートメールに答えれば、1万円がもらえるキャンペーンも実施中です。

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